研究課題/領域番号 |
20K07571
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
新澤 康英 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70403186)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 悪性黒色腫 / GREB1 / アンチセンス核酸 / ピリミジン合成 / マウスモデル / メラノサイト / メタボローム解析 / 癌化 / ピリミジン代謝 / モデルマウス / 細胞増殖 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒト悪性黒色腫(メラノーマ)は、日本でも増加傾向にあり、転移能が高く、極めて予後の悪いがんである。近年、分子標的薬(BRAF、MEK 阻害剤)が開発され、一時的にがんは縮小するものの、多くの症例において治癒を得ることなく再増悪し、新たな治療法の開発に向けて、悪性黒色腫の増殖機構の完全な理解が重要な課題となっている。本研究計画では、私共が独自に見出した新規がん制御遺伝子に着目し、分子・個体レベルでその機能を解析し、悪性黒色腫の増殖機構の解明を目指す。また、ヒト検体や患者腫瘍組織移植モデル(PDX)を用いた解析により、悪性黒色腫の新たな分子標的薬を開発するための研究基盤を確立する。
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研究成果の概要 |
GREB1は、ホルモン受容体の補因子である核内タンパク質で、ホルモン受容体により発現誘導され、ホルモン依存性がん細胞の増殖における役割が明らかにされてきたが、GREB1とホルモン非依存性がんとの関連は不明であった。本研究課題により、悪性黒色腫においてGREB1のアイソフォーム4(Is4)が色素細胞特異的転写因子MITFにより発現誘導されることを見出し、GREB1 Is4がピリミジン代謝制御を介して、がん細胞増殖を促進することを明らかにした。さらに、GREB1 Is4に対するアンチセンス核酸が抗腫瘍効果を示したことから、悪性黒色腫においてGRB1 Is4が新たな治療標的であることを提唱した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
悪性黒色腫はメラノサイトという細胞ががん化して発生する悪性腫瘍で、特に白人で頻度が高いが、日本人は10万人あたり1~2人が罹患し、日本全国で、1年間に約1,800人が悪性黒色腫と診断されている。免疫チェックポイント阻害剤の普及により、悪性黒色腫の治療は大きく進歩しているが、未だ治療困難例も存在している。本研究成果により、GREB1 Is4がピリミジン核酸の合成を促進し、がん化を誘導することを示し、GREB1 Is4を介した新たながん化メカニズムを明らかにした。さらに、GREB1が悪性黒色腫の新たな治療標的であり、GREB1へのアンチセンス核酸用いた治療法が有用であることを示した。
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