研究課題/領域番号 |
20K07575
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
西田 満 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30379359)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ゴルジ体 / c-Src / IFT20 / ゴルジ体微小管 / アセチル化チューブリン / 安定化微小管 / ゴルジ体由来微小管 / 大腸癌 / 集団浸潤 / がん細胞浸潤 / 細胞極性 / 細胞骨格 |
研究開始時の研究の概要 |
上皮性の癌細胞の多くは細胞間接着を保持したまま集団となって浸潤することが知られており、そのような浸潤形態が転移能と密接に関連している。特に、癌細胞集団の中で浸潤方向の先頭に位置するリーダー細胞は、その後方に位置するフォロワー細胞を牽引することで集団的浸潤に中心的な役割を果たしていることが示唆されている。本研究では、リーダー細胞に特徴的なゴルジ体微小管の構築制御機構を明らかにすることで、集団的癌細胞浸潤を司るリーダー細胞の特性・運命決定機構の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
これまでに、IFT20がゴルジ体の浸潤側への再配置を制御していることやリーダー細胞における安定化微小管の形成に関与していることを見出したが、それらの研究を遂行する過程で、IFT20のノックダウンによってゴルジ体におけるc-Srcのリン酸化レベルが顕著に減弱することを見出した。ゴルジ体におけるc-Srcの活性化はタンパク質の順行性輸送を促進することが知られている。そこでリーダー細胞においてIFT20がc-Srcを介してタンパク質輸送を制御している可能性について検討することとした。IFT20がMT1-MMPのゴルジ体内輸送を促進することを以前報告しているため、研究アプローチとしてMT1-MMPの輸送に焦点を当てた。まず、リーダー細胞におけるMT1-MMPのゴルジ輸送効率を定量解析するため、MT1-MMPを温度感受性VSVG(水疱性口内炎ウイルス糖タンパク質)変異体との融合タンパク質としてDLD1細胞に発現させ、培養温度を変化させることによってMT1-MMPの小胞体→シスゴルジ→トランスゴルジネットワーク(TGN)→細胞膜の各輸送効率を解析した。これらの結果、IFT20の発現抑制によってVSVG-MT1-MMPの小胞体から細胞膜への輸送効率が低下したが、c-Src阻害剤処理や恒常的活性型変異体であるv-Srcを過剰発現処理を行った細胞では、ゴルジ体の形態が異常となったため、VSVG-MT1-MMPの輸送効率を正確に評価することは難しいと判断した。したがって、IFT20はc-Srcのゴルジ体におけるリン酸化を促進するが、その意義の解明にはさらなる解析が必要である。
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