研究課題/領域番号 |
20K07579
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所) |
研究代表者 |
春田 雅之 地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 臨床腫瘍研究所, 研究員 (80392190)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 腎芽腫 / 11p13 / 染色体構造異常 / CGH+ SNP array |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに、腎芽腫の予後予測分子マーカー探索のため腎芽腫に特化したCGH+ SNP arrayを開発した。このarrayを用い腎芽腫の染色体異常を解析したところ腎芽腫既知原因遺伝子WT1遺伝子(11p13)近傍に共通微小染色体異常領域(11p13-14領域 1.0 Mb)を見出した。申請者はこの領域にWT1遺伝子とは異なる腎芽腫の新規原因遺伝子があると仮説を立て、腎芽腫の新規原因遺伝子の同定および新規原因遺伝子の機能解析を実施し、腎芽腫の新規治療法のための基礎的な知見を得ることを目的に本研究を実施する。
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研究成果の概要 |
我々は日本人腎芽腫150症例の解析から、WT1遺伝子が位置する11pに腎芽腫の新規原因遺伝子がある可能性を見出していた。より詳細な染色体異常解析から11番染色体のWT1遺伝子よりテロメア側に限局した共通微小染色体異常領域(11p13-14領域 1.0 Mb)を同定し、新規原因遺伝子の存在が示唆された。11pにLOHが認められた腎芽腫32症例にて、この領域の3遺伝子について変異解析を実施したが変異は認められなかった。しかしながら、多くの腫瘍でmRNA発現消失または減少が認められた。このことからこの領域の原因遺伝子候補は欠失とエピジェネティック異常が生じていることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腎芽腫患児の20%程は再発・死亡に至り予後不良であることが知られている一方、腎芽腫は治療成績が良く長期に生存するため、副作用や腎機能障害などの晩期障害の軽減を考慮した治療が今後の課題である。これらの課題を克服するためには腎芽腫の原因となっている遺伝子またはカスケードを標的とした新たな治療法の開発(分子標的薬を含む)が鍵となる。これまでに腎芽腫の半数程度で既知原因遺伝子異常が認めらず、他の新規原因遺伝子(群)が存在すると考えられている。本研究において、11p13-14領域に腎芽腫の新たな原因遺伝子候補を同定した。
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