研究課題/領域番号 |
20K07581
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 近畿大学 (2022) 愛知県がんセンター(研究所) (2020-2021) |
研究代表者 |
佐久間 圭一朗 近畿大学, 農学部, 教授 (90402891)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 肺腺がん / 一次線毛 / 肺がん / がん幹細胞 / KATNAL2 / 治療標的分子 / 癌幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
日本における肺がんによる年間死亡者数は約7万人にのぼり、がんの部位別で最も多く、直近60年間で60倍以上に増加した(全がん平均は約6倍の増加)。日本人の肺がんの半数以上は腺がんであることから、肺腺がんに対する治療法の開発は喫緊の課題である。 研究代表者は、肺腺がん細胞の一部が特徴的に発現する一次線毛に着目し、これを標的とする新規治療薬の開発を目指している。本研究課題は、一次線毛の発現制御分子として同定したKATNAL2の機能解明を通して、この分子が治療標的として有効か、学術的な観点から多角的に検討することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、肺腺がん細胞の一次線毛発現制御分子であるKATNAL2(katanin catalytic subunit A1 like 2)に関して、がん幹細胞との関係および治療標的としての可能性を検討した。がん幹細胞との関係については、KATNAL2陽性細胞はG0期とは異なる細胞周期における静止が示唆され、幹細胞マーカー陽性細胞とも明確な一致を認めなかった。治療標的としての可能性については、KATNAL2遺伝子をノックアウトすると一次線毛の短縮ないし消失を認めると同時に、一部の抗腫瘍薬に対する感受性の増加を認めた。以上の結果から、KATNAL2標的薬と既存薬の併用療法の可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の意義は大きく分けて2つある。1つめは学術的な意義である。少なくとも肺腺がんにおいて、がん幹細胞以外に細胞周期が静止し続ける細胞分画が存在し、その静止の分子メカニズムにKATNAL2(katanin catalytic subunit A1 like 2)が関与する可能性が示唆された。2つめは実用化に関する意義である。KATNAL2を標的とする分子標的薬を開発し、既存の抗腫瘍薬と併用することで、治療効果を高められる可能性が示唆された。
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