研究課題/領域番号 |
20K07583
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2021) 山形大学 (2020) |
研究代表者 |
横山 智哉子 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 講師 (50608908)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | がん / モノクローナル抗体 / 三次元細胞培養 / サイトケラチン / 解糖系酵素 / 細胞接着因子 / 解答系酵素 / アドヘレンスジャンクション / 三次元培養がん細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,生体内の腫瘍を模したがん細胞の三次元(3D)培養法と,腫瘍形成に重要な因子を認識するモノクローナル抗体を駆使し,腫瘍形成メカニズムの解明に挑む。これまでに3D培養がん細胞に対するモノクローナル抗体の作製により,3D培養がん細胞において発現量の亢進する因子を見出した。これらの抗原は,細胞骨格,代謝および細胞接着に関わる因子であった。本研究課題では,これらの因子が腫瘍形成に関わるメカニズムを明らかにする。本研究により,腫瘍形成に重要であると見出された因子は,薬剤耐性や転移メカニズムについても明らかにできる可能性があり,がん治療法の開発に新たな知見を与えると考える。
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研究成果の概要 |
本研究では,3D培養大腸がん細胞株DLD-1を免疫して樹立したモノクローナル抗体(mAb)2H7, 7D6および7E11の抗原が細胞骨格分子CK18,解糖系酵素GPIおよびアドヘレンスジャンクション構成分子IQGAP1であると明らかにした。また,CK18は,3D培養やいくつかの抗がん剤処理による細胞死により分解が起きると明らかにした。さらに,3D培養がん細胞におけるGPI発現量の増加と解糖系の亢進を示した。また,3D培養がん細胞における解糖系の亢進は,低酸素環境に起因する可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究における3D培養がん細胞の細胞死の誘導および解糖系の亢進は,研究代表者が用いた3D培養大腸がん細胞が生体内の腫瘍のがん細胞の特性を再現し,腫瘍形成メカニズム解明のためのモデルとなると示した。また,抗がん剤誘導した大腸がん細胞におけるCK18の分解が抗がん剤の種類により異なった点について,それぞれの抗がん剤が誘導する細胞死誘導メカニズムに違いがあると示唆され,今後の詳細なメカニズムの解明は抗がん剤の副作用軽減につながると考えられる。
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