研究課題/領域番号 |
20K07614
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
内田 千晴 浜松医科大学, 光医学総合研究所, 准教授 (60223567)
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研究分担者 |
塩谷 文章 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, ユニット長 (10627665)
丹伊田 浩行 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (20336671)
北川 雅敏 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50294971)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | がん抑制因子 / p130RB2 / 複製ストレス / 染色体不安定性 / ATR / ETAA1 / がん抑制遺伝子 / DNA複製ストレス / RBファミリー |
研究開始時の研究の概要 |
細胞は、薬剤や紫外線などによって誘発されるDNA 複製障害=複製ストレスに応答し、異常な染色体構造の発生を回避するしくみを備えている。複製障害発生直後はATRというリン酸化酵素が活性化され、障害が除かれるまで細胞増殖を一時停止させる経路が働く。しかし障害が長時間続くとDNA の二本鎖切断:DSBが発生し、DSB が修復されない場合は別のリン酸化酵素ATMの経路が活性化され、細胞死をひきおこす。 これらの複製ストレス応答経路のバランスは、染色体異常・不安定化を抑制し、がん化を防ぐために重要であると考えられている。本研究では、これらの経路の制御に関わると予想されるがん抑制遺伝子産物の機能を解明する。
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研究成果の概要 |
細胞の増殖は適切なDNA複製と分裂のメカニズムによってコントロールされている。細胞内外の障害によってDNA複製が異常な停止状態に陥ると、正しいDNA複製が完了しないまま細胞分裂が進まないよう複製ストレス応答という反応が起き、細胞の増殖は一時停止する。本研究において我々は、がん抑制因子p130RB2がATRというリン酸化酵素の活性化に働き、複製ストレス応答経路に積極的に関与していることを見出した。p130RB2が機能しない細胞では、染色体の異常が引き起こされ、細胞が正常に生存できないことがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん抑制因子RBファミリーの一つであるp130RB2が機能しない場合、適切な複製ストレス応答が起こらず、細胞の染色体異常や増殖異常を誘発することが示された。したがって、がん抑制因子p130RB2はDNA複製の異常時に対応して染色体を守るという、これまで明らかでなかった機能をもつことがわかり、がん抑制因子としての重要性を示すことができた。
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