研究課題/領域番号 |
20K07631
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
岡田 雅司 山形大学, 医学部, 准教授 (70512614)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | がん幹細胞 / 分化 / 酸化的リン酸化 / ドラッグリポジショニング / OXPHOS / 葉酸代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
腫瘍の発生・維持にはがん幹細胞 (CSC) が中心的な役割を果たしているがその制圧は未だ困難である。我々は、CSCを非がん幹細胞化させる分化誘導療法を報告してきたが、分化誘導療法は腫瘍中のCSCが一定数以内であれば完全消滅も期待できるため、予め腫瘍中のCSC数を減じる手段と組合わせればより有効であると考えられた。加えて、CSCではOXPHOS活性が高く生存に必須で治療標的となり得ること、OXPHOS抑制によりCSC数を減少可能であることを報告してきた。そこで本研究では、CSCに対する新規OXPHOS阻害薬を探索し、我々が開発したCSC分化誘導薬と併用する新規CSC標的治療モデルの創出を目指す。
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研究実績の概要 |
がん幹細胞(CSC)は腫瘍組織中のごく一部にのみ存在し腫瘍の発生および維持に対して必須であると考えられており、我々はこのCSCの制圧を目的として特にCSCと分化誘導させた同一遺伝子をもつCSC (non-CSC)との比較を中心に治療法開発を行ってきた。本研究課題においては、グリオーマ幹細胞(GSC)の生存に自身の高いOXPHOS活性や葉酸代謝が、またGSCの幹細胞性機能の維持に細胞内脂肪酸蓄積が必要ということを見出してきた。加えて、これらのCSC特異的脆弱性標的薬を用いてGSCを殺傷する単剤治療のみでは、腫瘍内のGSC数の減少力は低く生存期間延長効果は弱いことが判明したが、これまでに我々が見出 したGSC分化誘導薬との併用を行うことで、各々の単剤治療と比して生存期間を有意に延長することが可能であることを見出してきた。 本課題3年目においては、GSCとnon-GSCの比較で、GSCにおいて高発現が見られたphospholipase C epsilon (PLCe)がGSCの生存とその幹細胞性維持に必須であり、その発現抑制がin vivoでの生存延長効果を有すること、加えてPLCeはこれまでに我々が見出していたGSCの幹細胞性維持に必須であるJNKの活性化の上流因子の一つであることを明らかにした。加えて、HDAC阻害薬の一つがnon-GSCに比較してGSCに対して強力な細胞毒性を発揮することを明らかにし、GSC標的治療薬に有望である可能性を明らかにした。さらに、申請時点で得られていたGSC選択的抑制薬の予備的知見をさらに発展させ、現在これらの評価を鋭意研究中である。本年度はその他の研究を含めて4報の論文を国際誌に発表することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時に得られていた予備的知見をさらに発展させ、本年度ではGSCとnon-GSCの比較からPLCファミリーの中で唯一PLCeがGSCにおいて高発現が見られ、PLCeがGSCの生存と幹細胞性維持に必須であり、遺伝子ノックダウンを行ったGSCのマウスに対する移植実験より、in vivoにおいてもPLCeの発現抑制が生存期間を延長することを明らかにした。同様に、GSCとnon-GSCの差分解析から見出したGSCにおいて高発現を示すタンパク質が、これまでに予備的治験において見出していたGSC選択的抑制薬の標的因子である可能性を示唆するデータを得たことから、さらなる検討を行うこととなった。以上の研究活動を総合 的に判断すると、概ね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
現在、数種類のGSCとnon-GSCの比較した差分解析から見出した、複数のGSC選択的阻害薬およびそれらの標的因子と考えられるGSCにおいて高発現が見られるタンパク質の同定まで終了し、現在これらの因果関係の評価を、in vitro並びにin vivo実験を用いて鋭意研究中である。
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