研究課題/領域番号 |
20K07638
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
土橋 賢司 九州大学, 大学病院, 助教 (20773675)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | PD-L1 / FTO / N6メチルアデノシン / エピトランスクリプトーム / 大腸がん / 免疫チェックポイント分子 / Epitranscriptome / RNA modification / Immune checkpoint / epitranscriptome / immune escape / cancer |
研究開始時の研究の概要 |
RNAは様々な化学修飾を受けていることが知られておりエピトランスクリプトームと呼ばれる。この異常ががんの進展に関与することが近年注目されている。これまでエピトランスクリプトームが、がんの未分化性獲得や増殖に寄与することが報告されている。一方、がんは免疫回避機構という免疫系から逃れるシステムを有し進展することが知られている。エピトランスクリプトームは新しい領域であり、免疫回避機構との関連は不明な点が多い。本研究は、エピトランスクリプトームが免疫回避機構を担う免疫チェックポイント分子に与える影響を明らかにすることで、がんの免疫回避の制御機構を解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究はRNA修飾による遺伝子発現制御機構であるエピトランスクリプトームと免疫逃避機構を担う免疫チェックポイント分子発現との関連を明らかにすることである。ヒト大腸がん細胞株HCT-116による検討で、代表的なRNA修飾であるN6-メチルアデノシンの脱メチル化酵素FTOにより、免疫チェックポイント分子PD-L1の発現が制御されることが明らかになった。一方、検討した他の大腸がんや食道がん細胞株では制御されていなかった。本研究により免疫チェックポイント分子発現がエピトランスクリプトーム制御を受けることが明らかなったとともに、がん種や細胞毎の特性が重要なことが示唆された。今後の更なる検討が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんは、生体内の免疫機構から逃れながら進展していく。がんの免疫回避機構の一つとして免疫チェックポイント分子発現を介するものが知られている。その免疫チェックポイント分子発現がどのように制御されるかは完全には明らかになっていない。本研究では、RNA修飾というもともと細胞内に備わっている遺伝子発現制御システムが、免疫チェックポイント分子発現に影響することをヒトの大腸がん細胞株を用いて示した。一方、その細胞株と同様の関係が成り立たないがん細胞株もあった。まだまだ検討できていることは少なく、今後さらにこの分野の研究の進展することが期待される。
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