研究課題
基盤研究(C)
本研究は、肺癌に対するNKT細胞を用いた免疫療法の有効性向上を目指し、新規併用免疫療法の開発を行うことを目的とする。NK細胞がNKT細胞に対してアジュバント効果を発揮し抗腫瘍効果を増強するという仮説に基づき以下を検討する。①NK細胞がNKT細胞の抗腫瘍効果に与える影響及びそのメカニズム解析②NKT細胞を用いたがん免疫療法におけるNK細胞のアジュバント効果の増強を目指した天然化合物の探索③天然化合物を用いた新規併用免疫療法の有効性及びエビデンスの構築
本研究は、肺癌に対するNKT細胞を用いた免疫療法の有効性の向上のため、新たな併用免疫療法を確立することを目的とした。NK細胞がNKT細胞の抗腫瘍効果に対するアジュバント効果を発揮することに着目し、そのメカニズムを解明するために研究を進めた。NK細胞がNKT細胞のアジュバント効果を発揮する液性因子の特定を試みたが関与因子の特定には至らなかった。しかし、その実験過程において、NKT細胞の培養上清の中にNKT細胞の抗腫瘍活性に関与する因子を特定することに成功した。
本研究では、本来の目的であるNK細胞のNKT細胞に対するアジュバント効果を誘導する因子の特定には至らなかったものの、その実験過程で抗NKT-TCR抗体が白血病細胞株K562細胞に対して細胞傷害活性を惹起するのに必要な因子であることを特定し、新たな併用療法の可能性が示唆された。しかし、肺癌細胞株に対しては、抗NKT-TCR抗体を添加してもNKT細胞の抗腫瘍活性の増強は見られなかった。以上の結果からNKT細胞のTCRシグナルを活性化し、さらに腫瘍抗原を特異的に認識する二重特異性抗体を使用するなどにより、肺癌をターゲットとした新たなNKT細胞療法を開発できるのではないかと考察された。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)
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