研究課題/領域番号 |
20K07668
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
和氣 加容子 久留米大学, 付置研究所, 講師 (40649597)
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研究分担者 |
山田 亮 久留米大学, 付置研究所, 特命教授 (50158177)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ミトコンドリアDAMPs / ホルミルペプチド / ミトコンドリア / formyl peptide / DAMPs / がん免疫 / DAMPs / 腫瘍由来ミトコンドリアDAMPs / 抗腫瘍免疫 / がん免疫療法 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞死により放出される腫瘍細胞ミトコンドリア由来のN-ホルミルペプチド (FP)はダメージ関連分子パターンとして知られている。FPはFP受容体を介して好中球や樹状細胞を病巣に引き寄せ、炎症反応や自然免疫を惹起する。炎症は抗腫瘍免疫に抑制的に、樹状細胞の活性化は促進的に作用すると考えられているが、ミトコンドリアFPの抗腫瘍免疫における機能は不明である。故に、本研究では1)FPの腫瘍細胞における機能、2)FPの宿主免疫系への作用、3)FPの治療への応用について、腫瘍免疫の観点から明らかにする。これらにより、腫瘍ミトコンドリア由来のFPの腫瘍免疫における機能解明と次世代がん免疫療法への応用を目指す。
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研究成果の概要 |
ミトコンドリア由来のN-ホルミルペプチド(FP)はDAMPsとして働き、炎症反応を誘導し、腫瘍内での炎症反応は抗腫瘍免疫に抑制的に作用することが知られている。ホルミル化に関与する酵素mitochondrial methionyl-tRNA formyltransferase (Mtfmt)をノックアウト(KO)したFP欠損株をマウスの腫瘍細胞株を用いて樹立した。腫瘍細胞をマウスへ皮下移植後、野生株に比べてKO株で腫瘍増殖が抑制され、免疫染色とFACS解析により、腫瘍内への免疫抑制細胞の浸潤低下が見られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腫瘍細胞から放出されるミトコンドリアDAMPsであるFPの抗腫瘍免疫における役割は明確ではなかった。本研究では、腫瘍ミトコンドリアFPを抑制すると、腫瘍増殖の抑制が見られた。更に、腫瘍内への抗腫瘍免疫を促進する免疫細胞の浸潤増加と、抑制性免疫細胞の浸潤減少も確認された。これらのことは、腫瘍ミトコンドリアFPを制御することで腫瘍微小環境を変化させ、抗腫瘍免疫が誘導・増強されたことを示唆し、他のがん治療法と併用する次世代複合免疫療法の開発の可能性を示唆している。
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