研究課題/領域番号 |
20K07684
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
新井 正美 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (20232027)
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研究分担者 |
柿沼 志津子 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所, 副所長(任常) (20392219)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ナンセンス変異 / リードスルー療法 / マクロライド系抗生剤 / 家族性大腸腺腫症 / 遺伝性腫瘍 / APC遺伝子 / がん予防 / 抗生剤 / 化学予防 |
研究開始時の研究の概要 |
家族性大腸腺腫症(Familial adenomatous polyposis: FAP)のモデルマウスC3B6F1ApcMin/+を用いて、自然発症発癌及び放射線誘発大腸腫瘍に対するマクロライド系抗生剤を用いたリードスルー療法が、腫瘍抑制効果を示すかを検証する。またFAP患者から樹立した細胞株を用いてマクロライド系抗生剤によるAPC蛋白の伸長効果が認められるかを検討する。
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研究成果の概要 |
マクロライド系抗生剤は、病的なナンセンス変異のリードスルー(読み過ごし)を誘起する。この機序が遺伝性腫瘍の腫瘍抑制効果につながるか、家族性大腸腺腫症のモデルマウスを用いて検討を行った。 QSTで作出した雌C3B6F1ApcMin/+マウスを用いて、マクロライド系抗生剤を低濃度、中濃度及び高濃度の3濃度をそれぞれ3週齢から連続飲水投与する群と無処置群の4群について解析した。その結果、マクロライド系抗生物質の効果として期間は限定的ではあるが、癌の数の減少と腺腫から腫瘍への悪性化の抑制を認めた。また高濃度の薬剤投与は、腸内細菌叢の多様性を減少させ、腫瘍の抑制効果は限定的であることも明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
遺伝性腫瘍には、がん発症リスク軽減のマネジメントとしてリスク低減手術や計画的なサーベイランスがある。しかし、大腸を全摘するなど手術侵襲は大きく、また臓器を喪失することによる有害事象も生じうる。また、期間限定的ではあっても手術の時期を遅らせることができれば受験期などへの影響を抑えることも期待でき、その社会的な意義は大きい。また有望なリードスルー化合物も見出されており、創薬にも繋がる可能性をもつ。
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