研究課題/領域番号 |
20K07685
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 昭和薬科大学 |
研究代表者 |
野村 鉄也 昭和薬科大学, 薬学部, 講師 (40582854)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 腫瘍血管内皮細胞 / 免疫逃避機構 / 免疫チェックポイント阻害薬 / ファージディスプレイ法 / 一本鎖Fcキメラ抗体 / TEC / 免疫抗体ライブラリ / パンニング / PD-1抗体抵抗性 / 一本鎖抗体 / 抗体療法 / PD-1抗体治療抵抗性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では, 近年がん免疫領域で画期的な医薬品として用いられている抗PD-1抗体に対して治療抵抗性を示すがんに対する新たな治療薬の開発を行う. 申請者は, PD-1抗体への治療抵抗性の構築に関わることが報告されているがん血管に着目し, 正常な血管には作用せずにがん血管の形成のみを抑えることができる抗体医薬の創製を目指して研究を進める.
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研究成果の概要 |
本研究では、免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-1抗体や抗PD-L1抗体)が著効を示さない腫瘍に対する新たな治療戦略の構築を目的に、がん組織血管に対する特異抗体の創製を目指して研究を行った。その結果、ファージディスプレイ法を駆使することで、腫瘍血管内皮細胞に強く結合する一本鎖抗体提示ファージを創出することに成功した。また、結合力向上を目的に構築したFcキメラタンパク質を用いた検討から、得られた抗体は正常血管内皮細胞には結合しないこと、さらにはがんの種類に依らず結合できることが明らかとなった。以上、創出したがん血管特異抗体は、免疫チェックポイント阻害薬との併用に資する抗体であることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、近年がん治療領域における画期的治療薬として開発されてきた免疫チェックポイント阻害薬を用いても治療が困難な症例に対して、新たな治療方策を提示するものである。また今回創出したがん血管に対する特異抗体は、VEGFやVEGFR2などを標的とした既存の血管新生阻害薬とは異なり、正常な血管には作用しないことから、既存の血管新生阻害薬において問題となっている大血管傷害や創傷治癒遅延などの副作用を呈することがなく、安全性にも優れた治療薬となる可能性がある。
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