研究課題/領域番号 |
20K07694
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
河合 洋平 京都大学, iPS細胞研究所, 特定助教 (90623364)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | helper T cell / iPS cell / Tumor immunotherapy / iPS細胞 / T細胞 / 免疫療法 |
研究開始時の研究の概要 |
悪性腫瘍や慢性難治性感染症の制圧にはT細胞を用いた細胞療法が極めて有効な可能性が高い。抗原特異性と機能性を保持したT細胞の大量調製を可能にするため、申請者らはiPS細胞からヒト細胞傷害性T細胞に至る分化培養系を開発した。次のステップとして本研究では、細胞傷害性細胞の効用を最大化できるヘルパーT 細胞の誘導を同じくiPS細胞から試みる。iPS細胞から効率良くヘルパーT細胞を作製するための必要十分因子を探索し、最終的にはiPS細胞由来細胞傷害性T細胞とヘルパーT細胞の併用による効果的な免疫細胞療法の実現を目指している。
|
研究成果の概要 |
in vitroでiPS細胞からヘルパーT細胞を完全フィーダーフリー条件下で誘導することに初めて成功した。このiPS細胞由来ヘルパーT細胞はプライマリーのヘルパーT細胞と同様にヘルパー系列のマスター転写因子であるThpokを高発現し、樹状細胞の成熟に中心的な役割を果たすCD40Lも刺激依存的に高発現した。サイトカイン産生能、増殖能にも優れていた。 さらにiPS細胞由来ヘルパーT細胞は成熟直後こそヘルパー形質を強く示す一方、特定の刺激条件で増幅するとキラー形質も併せ持つ事が分かった。この細胞はサイトカイン産生能、増殖能にも優れるため、腫瘍を直接傷害できるキラーT細胞として強い抗腫瘍活性を示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腫瘍免疫治療においては腫瘍抗原の発現低下による免疫回避や免疫抑制的な腫瘍微小環境の修正が重要であるが、この問題の解決にはヘルパーT細胞が重要な役割を果たし得る。本件で作製されたiPS細胞由来ヘルパーT細胞はヘルパーT細胞としての機能に加え、①フィーダーフリーで作製できるため臨床応用に対応しやすい、iPS細胞をセルソースとしているため②大量生産が可能、③ゲノム編集が容易、④品質管理が容易という強みも併せ持つ。さらにシンプルな操作でフィーダーフリー条件でiPSCから簡便にヘルパーT細胞を誘導できるため、本研究で樹立された分化培養系は、サンプルの入手が困難なヒトT細胞分化研究にも貢献し得ると考える。
|