研究課題/領域番号 |
20K07699
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
小笠原 光成 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (10605215)
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研究分担者 |
谷内 恵介 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 准教授 (50626869)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 膵癌 / 予後予測マーカー / 予後予測因子 / 術前化学療法 / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
膵癌細胞の浸潤・転移に関わるRUVBL1とPRDX1を同定した。手術前に採取された膵癌生検組織を免疫組織染色することにより、RUVBL1とPRDX1の予後解析を行う臨床試験を実施している。1年生存率の予後解析を終了し、RUVBL1とPRDX1の両方が高発現している症例では臨床ステージ分類に基づく予測よりも高い精度で手術前の段階で術後予後を正確に予測できた。本研究では、①臨床試験を継続して実施して2022年度に予後解析を終了する、②RUVBL1とPRDX1をノックダウンしたヒト膵癌細胞株をマウス膵臓に移植したモデルマウスを用いてRUVBL1とPRDX1がマウスの予後に関わることを示す。
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研究成果の概要 |
独自の基礎研究により膵癌細胞の浸潤・転移に関わるRUVBL1とPRDX1を同定した。本研究では、①2022年度に後ろ向き試験の予後解析を終了し、②RUVBL1とPRDX1をノックダウンしたヒト膵癌細胞株を用いたマウス実験を実施する。 後ろ向き臨床試験は手術前に採取した膵癌生検組織を用いて術後2年生存率の予後解析を行った結果、RUVBL1とPRDX1の両方が高発現である群は低発現群に比べて有意に予後不良であった。ヒト膵癌浸潤・転移モデルマウスを用いた基礎研究では、RUVBL1とPRDX1を発現抑制したヒト膵癌細胞株PANC-1細胞を膵臓に移植したマウスは、コントロール群に比較して予後が延長した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
全身状態、CA19-9、肝転移、腹膜播種などが膵癌の予後予測因子として報告されている。しかし、これらの論文報告では、臨床病期との比較が詳細に行われていない。膵癌患者の予後を手術前に高い精度で予測できる方法を定めることができれば、特にステージIIAまでの切除可能膵癌において術前治療の適応基準を決めることが臨床の現場の重要課題であり、本研究の成果が術前化学療法を必要とする患者を絞り込むことに貢献できる可能性がある。本研究は、臨床病期だけでは不十分な予後予測を補完することのできる世界初のバイオマーカー同定を目指しており、臨床のニーズに合致した研究を推進できると考えている。
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