研究課題/領域番号 |
20K07724
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51020:認知脳科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
石川 淳子 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (30570808)
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研究分担者 |
西井 淳 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (00242040)
村井 礼 山口大学, 国際総合科学部, 准教授 (30279111)
呉本 尭 日本工業大学, 先進工学部, 教授 (40294657)
美津島 大 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70264603)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 記憶 / 海馬CA1 / 超高頻度発火 / リップル発火 / 情動 / エピソード / リップル様イベント / 海馬 |
研究開始時の研究の概要 |
海馬CA1はエピソード記憶の形成に不可欠であるが、記憶形成過程における海馬CA1の神経活動はあまり解っていなかった。申請者は、これまでに、情動性、社会性、新奇性など、異なるエピソードを動物に経験させると、海馬CA1の神経活動パターンやシナプスの可塑性が、エピソードの種類に応じて多様に変化することを明らかにした。本研究では、これまでに得ている実験データをもとに仮説を立て、その立証を試みるとともに、エピソード依存的な神経活動の発生機序や生理学意義を追及することで、エピソード経験の記憶形成機構の全貌解明を目指す。
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研究成果の概要 |
これまでの研究で、エピソード経験の記憶形成過程において、海馬CA1に超高頻度発火やリップル発火の発生が増え、経験依存的にリップル発火波形の多様化が起きることを明らかにしてきたが、本研究ではムスカリン受容体拮抗薬(scopolamine)によってこれらの神経イベントだけでなく記憶の形成も阻止されることが明らかとなった。また、本研究では超高頻度発火がリップル発火の増加や多様化のトリガとなっていることを調べるため、超高頻度発火を特異的に抑制するシステムを構築した。これによって、超高頻度発火をリアルタイムで検出した直後から約200msec間、超高頻度発火を消去することが可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エピソード経験の記憶形成における超高頻度発火やリップル発火の生理学的意義はまだほとんど解っていないが、本研究でこれらの神経イベントの重要性が明らかとなった。また、リップル発火の増加や多様化はシナプス可塑性に起因したものであると考えられる。記憶や学習のメカニズムには海馬におけるシナプス可塑性が重要であることが解っているが、それを引き起こす内因性神経イベントはまだ見つかっていない。本研究で構築したシステムによって超高頻度発火がそのイベントであることが証明されれば、生理学分野における重要な知見となる。
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