研究課題/領域番号 |
20K07726
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51020:認知脳科学関連
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研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
坂本 一寛 東北医科薬科大学, 医学部, 准教授 (80261569)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | サル / 前頭前野 / 局所場電位(LFP) / 機能分化 / LFP / 行動計画課題 / 形操作課題 / 外側前頭前野 / 腹側部 / 背側部 / 神経活動 / 神経情報解読 |
研究開始時の研究の概要 |
前頭前野は、実行機能(複雑な環境において目標達成のために行動を計画・実行する機能)の中心的役割を担う。それを裏付けるように応募者・坂本は、活動により表現される情報が最終目標から具体的行動目標に変化する細胞(目標遷移細胞)をサル前頭前野に発見した。本研究の目標は、①この変化が他の領野からの入力の変化でなく前頭前野自身の自律的変化であること、②変化する情報をどのように解読しうるのか、を検証することである。
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研究成果の概要 |
前頭前野神経活動の動的情報表現を解明するために、行動計画課題遂行中のサル外側前頭前野の局所場電位(local field potential, 以下LFP)の振幅の課題依存性変化を解析したところ、外側前頭前野背側部では課題のルール(認知的操作と運動との対応関係。これは一定正解試行回数毎に切り替わる)に応じてガンマ領域(30~12 Hz)が、腹側部では作業記憶に留めておくべき情報の中身に応じて留めておくべき時期(遅延期)のデルタ・シータ領域(1~7 Hz)が変化を示した。これらの結果は、LFPにおいても外側前頭前野の機能分化が見られることを示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
外側前頭前野から記録されたLFPの課題依存性変化を検討した研究はあまり多くなく、その中でも背側部と腹側部の違いを示した研究はほとんど存在しない。その意味で、本研究成果は大きな学術的意義がある。行動計画課題の複雑さがそれらの機能さをあらわにしたと思われる。また、ヒト高次脳機能の優れたモデルであるサルで脳波のもととなる信号であるLFPについてこのような成果が出たことは、今後、高次脳機能障害の診断に行動計画課題と脳波を利用できる可能性を開いた。この点に社会的意義がある。
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