研究課題/領域番号 |
20K07729
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51020:認知脳科学関連
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
小池 耕彦 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 助教 (30540611)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 視線コミュニケーション / アイコンタクト / 共同注意 / fMRI / ハイパースキャニング / 二者同時記録fMRI / Hyperscanning fMRI / 視点取得 / みつめあい / 注意共有 / 磁気共鳴現象画像法 / 社会的意思決定 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトのコミュニケーションの基盤の一つに,「アイコンタクト」「共同注意」という視線を介した注意共有がある.発達心理学や自閉症者に関する研究は,これら注意共有のプロセスおよび神経回路に深い関係性があることを示唆するが,それを解明した知見は存在しない.さらに注意共有はコミュニケーションのゴールではなく,それをベースとして学習や会話,意思決定がおこなわれるが,それら後続する認知プロセスとの関連性も明らかではない。本研究では,コミュニケーション中の被験者ペアから同時に脳活動を記録可能なハイパースキャニングfMRIを利用して,アイコンタクトと共同注意が後続する社会的意思決定プロセスに与える影響を解明する.
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研究成果の概要 |
本研究では、ハイパースキャニングfMRIを用いて、注意共有行動(アイコンタクト、共同注意)の神経基盤の関係性や、注意共有行動に後続するさらに複雑で高次な情報共有の神経基盤を検討した。アイコンタクトと共同注意という異なるコミュニケーション行動の双方に、右前部島皮質-下前頭回および被殻が中心的な役割を果たしている可能性が示唆された。また注意共有後に高次の情報である物体に対する好みが共有される過程の神経基盤を、ハイパースキャニングfMRI実験で検討した。この過程には、背内側前頭前野、前帯状皮質、楔前部、左海馬、右小脳、そして左下前頭回(IFG)が関連している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は、二者同時記録fMRI装置を用いた研究で、注意共有のようなコミュニケーションの背後に個体間脳活動相関が存在することを示してきた。しかし実社会でのコミュニケーションに個体間脳活動相関が役割を果たすかを理解する上では、単に一つの注意共有行動の神経基盤を検討するだけではなく、注意共有行動の神経基盤の関係性や、後続するより複雑で高次な情報共有の神経基盤の検討を進める必要がある。本研究により、情動や感情を言語で共有するような、複雑ではあるが現実社会で広くみられるコミュニケーション行動のメカニズムを理解できるようになり、Well-beingのメカニズムなどの理解が進むことが期待される。
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