研究課題/領域番号 |
20K07745
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
川村 将仁 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (10408388)
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研究分担者 |
西 晴久 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70256428)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ketogenic diet / 小児てんかん / 抗けいれん作用 / ケトン食療法 / アデノシン受容体 / 血液脳関門 / ケトン体 / 血糖 |
研究開始時の研究の概要 |
ケトン食療法は小児てんかんに用いられる、けいれんを抑えるための食事療法である。近年、薬剤が効きにくいてんかんにも効果が期待できることから注目されている。しかしながらケトン食療法は、その効果が発揮されるまでに最大で1ヶ月もの時間がかかることが知られている。本研究では、ケトン食療法の効果発現までに時間がかかる原因を明かにすることを目的とする。本研究の成果は、ケトン食療法を新規に始める患者さんがその効果発現を待たなければならない時間を短くし、その苦痛を少しでも和らげることに寄与すると考えられる。
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研究成果の概要 |
ケトン食療法は血中のケトン体を増加させ擬似絶食状態を引き起こす、小児てんかんの治療法である。しかし、ケトン食療法は絶食と比して効果発現までに時間がかかる短所がある。本研究ではその理由を解明することを目的とし実験を行った。ケトン食療法では絶食に比して抗けいれん作用発現、脳脊髄液中ケトン体濃度の上昇までの時間が長かった。一方、血中ケトン体濃度はケトン食療法時の方が絶食時より有意に低かった。また、血液脳関門培養細胞モデルにおいて、ケトン体の中枢移行性は低かった。ケトン食療法では、絶食と比して血中のケトン体濃度の上昇が悪く、その中枢移行性が低い結果、抗けいれん作用発現までに時間がかかると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ケトン食療法は薬剤耐性てんかんに対しても有用であることが示されている。また近年は、自閉症スペクトラム障害や統合失調症などの難治性中枢神経系疾患への治療効果も示唆されており、小児てんかん以外への適応拡大も期待されている。ケトン食療法におけるケトン体の中枢移行性を含めた体内動態を解明することは、難治性中枢神経系疾患に対するケトン食療法の適応拡大への一助になるだけでなく、脳内のエネルギー供給経路を理解するために重要な基盤研究となる。
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