研究課題/領域番号 |
20K07757
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 新潟県立看護大学 (2021-2022) 新潟大学 (2020) |
研究代表者 |
葛城 美徳 新潟県立看護大学, 看護学部, 准教授 (60401759)
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研究分担者 |
野中 隆 公益財団法人東京都医学総合研究所, 認知症・高次脳機能研究分野, 副参事研究員 (30356258)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | Parkinson's disease / ROS / USP10 / a-synuclein / p62 / Nrf2 / α-シヌクレイン / パーキンソン病 / αシヌクレイン / シヌクレイン / G3BP1 / アグリソーム / ストレス顆粒 |
研究開始時の研究の概要 |
パーキンソン病(PD)は中脳黒質の神経細胞死を特徴とする難治性神経変性疾患であり、その原因因子はαシヌクレイン(αS)である。近年、異常型αSの線維様凝集がプリオン様増殖し、PD発症に関わることが示された。申請者は、異常型αSのプリオン様増殖が、アグリソーム(蛋白質凝集体)の形成によって抑制されることを見出し、その形成に関わる因子も同定した。申請者は、この因子によるαSのプリオン様増殖の制御機構を、培養細胞、マウスモデルおよびPDの脳検体を用いて明らかにする。
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研究成果の概要 |
パーキンソン病(PD)では異常型α-シヌクレインの重合活性により、ドーパミンを分泌する大脳神経の死滅が引き起こされる。Nrf2は、抗酸化作用を持つ転写活性化因子であり、その機能障害は、PDを含む様々な疾患に関与する。我々はドーパミンが活性酸素種(ROS)の増加とそれによるアポトーシスを誘発するが、これらの効果をユビキチン特異的プロテアーゼ10(USP10)タンパク質が抑制することを見いだした。USP10は、Nrf2活性化因子p62と相互作用することでNrf2の抗酸化転写活性を刺激した。本研究により、USP10は神経細胞における Nrf2抗酸化活性の重要な制御因子であることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
パーキンソン病は異常型シヌクレインの増加によって脳のドーパミン神経細胞が減少することで起こるが、これまでの我々の研究から、USP10の機能低下がパーキンソン病の発症に関与することが示唆されていた。今回の研究で、USP10はドーパミンによる活性酸素種(ROS)増加を抑えることで、ドーパミン産生細胞のROSによる細胞死を抑えていることが明らかになった。USP10は抗酸化作用をもつ転写活性化因子であるNrf2の活性化を介してドーパミンによるROS上昇や細胞死を抑えていることが明らかとなったことから、USP10の活性化剤がパーキンソン病の予防薬や治療薬として活用できる可能性が示された。
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