研究課題/領域番号 |
20K07764
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
前川 達則 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (30647673)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | パーキンソン病 / 腸管神経系 / LRRK2 / 腸管神経 |
研究開始時の研究の概要 |
パーキンソン病(PD) は中脳黒質ドーパミン神経細胞の脱落を特徴とする神経変性疾患であり、その発症メカニズムは未だ解明されていない。PDでは脳神経変性に先行して腸管神経変性が始まることが報告されており、発症メカニズム解明の新たなアプローチとして腸管神経の解析に注目が集まっている。しかし、その多くは孤発性PD患者や薬剤モデルマウスの解析を中心としており、どのようなタンパク分子が腸管神経変性の引き金になるのかを研究した報告は少ない。本研究ではPD原因分子であるLRRK2の遺伝子欠損マウスと変異型マウスを用いて、腸管神経系におけるLRRK2の役割とその異常による腸管神経病態の形成機序を明らかにする。
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研究成果の概要 |
パーキンソン病(PD)は中脳黒質ドーパミン神経細胞の脱落を特徴とする神経変性疾患であり、その発症メカニズムは未だ明らかになっていない。本研究ではPD原因分子であるLRRK2の腸管神経系における役割とその異常による病態形成機序を解明することを目的とした。 本研究により、LRRK2は腸管グリア細胞に優位に発現していること、LRRK2欠損(KO)マウスのENSでは神経とグリアの特徴を有する細胞が増加していること、LRRK2はCREBのリン酸化を介して腸管神経新生を制御していることが明らかになった。また、KOマウスのENSではsynucleinが増加しており、PD発症の一因となる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、LRRK2による腸管神経障害のメカニズムが明らかになれば、LRRK2を標的とした治療薬開発に重要な知見を与えることができる。また、腸が生検可能な臓器であること、運動症状よりも腸症状が先行することから、発症前診断への発展も期待できる。早期診断と早期治療介入により発症時期を遅らせることができれば、介護・医療負担を軽減できるだけでなく、健康寿命の延伸も期待することができる。加速化する高齢化社会の中で本研究の持つ意義は大きい。
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