研究課題/領域番号 |
20K07798
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
三條 伸夫 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, プロジェクト教授 (00343153)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アミロイドオリゴマー / アルツハイマー病 / アミロイドβオリゴマー / ミセル化フラグメント抗体 / アミロウドβオリゴマー |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー病(AD)の治療は、発症前~超早期に介入し、神経毒性が強いアミロイドβ(Aβ)オリゴマー(AβO)を治療のターゲットとした場合、病的カスケードにブレーキをかける必要がある。我々は、生化学的に不安定なAβOをドットブロット法で高感度に定量する技術を新たに開発し、モデルマウスにおける脳内AβO蓄積量を月齢毎に正確に測定し、AD病理変化であるタウ蛋白のリン酸化の促進や、マイクログリアの病的活性化などへのAβOの関連性や域値を明かにし、抗体療法における必要量を解明する。
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研究成果の概要 |
ADモデルマウス(APPswe, PSEN1ΔE9)に対して、アミロイドβ(Aβ)オリゴマー(AβO)をターゲットとしたAβO抗体から作製したfragment抗体(Fab)を抹消から投与した際には脳への移行が少なかったため、AβO抗体Fabを血液脳関門(BBB)を通過させるため、ミセルに結合させて末梢から投与したところ、Fab単独投与に比べ、約80倍の量を脳に移行させることに成功し、同薬剤を37週齢のADモデルマウスモデルマウスに10週間連続で週1回投与したところ、記憶障害が軽減され、脳における毒性Aβ種や老人斑が減少した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は末梢からの単独投与ではほとんど脳内に到達できないAβO抗体を、力価がほぼ同等のfragment抗体(Fab)を作製し、そのFabをミセルに内包することにより、約80倍の量を脳内に届ることに成功した。Fab抗体はfull body抗体と比較して分子量が小さいだけではなく、Fc部分を有さないため、理論的にはアミロイド関連画像異常(ARIA)がおこらない。我々はAβO-Fab複合体は脳内でアストロサイトに処理されることを確認している。この技術により抗体の投与量を大幅に減量でき、かつARIAが起こりにくいという利点が期待できる。
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