研究課題/領域番号 |
20K07806
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
吉岡 玲子 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (60868975)
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研究分担者 |
谷内 恵介 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 准教授 (50626869)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 膵癌 / 診断マーカー / 膵癌診断マーカー / ヒト膵癌オルガノイド / 浸潤・転移 |
研究開始時の研究の概要 |
予後不良の癌の代表である膵癌は早期発見が困難であり、有用な診断マーカーの開発が望まれている。研究代表者は、膵癌細胞の葉状仮足において局所翻訳されることにより浸潤・転移に関わるmRNAを網羅的に同定した。これらの局所翻訳される蛋白質のうち、膜貫通蛋白質である糖蛋白質Aと分泌される糖蛋白質Bを同定した。本研究では、糖蛋白質A, Bが臨床で用いられている膵癌診断マーカーであるCA19-9より優れた診断性能を有することを、①検証目的の臨床試験、および、②膵癌モデルマウスを用いたin vivo実験により明確にする。
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研究成果の概要 |
研究代表者は、膵癌細胞の葉状仮足において局所翻訳されることにより浸潤・転移に関わる膜貫通蛋白質である糖蛋白質Aと分泌される糖蛋白質Bを同定した。前向き臨床試験において膵癌、食道癌、胃癌、肝臓癌、胆管・胆嚢癌、大腸癌の患者血清中の糖蛋白質A, B濃度をELISA法により測定した。糖蛋白質A,Bは膵癌血清において有意に高値であった。ヒト膵癌オルガノイド移植マウスの血清中の糖蛋白質A, B濃度をELISA法により測定した結果、糖蛋白質A, B はヒト膵癌組織の小さい段階から膵癌の腫瘍マーカーであるCA19-9に比較して高値であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を推進することにより、画像診断により進行癌として見つかることの多い膵癌に対する新たな診断方法の確立が期待できる。採血によって検査が可能であり、将来は集団検診への利用が可能であると考えている。感度・特異度の高い診断マーカーにより、予後の最も悪い癌である膵癌を高い精度でかつ集団検診でも利用できる効率的な検診方法の開発は急務であり、本研究の成果はこれらのことを実現できる可能性がある。診断の難しい膵癌を正確に簡便な方法で診断することは、膵癌の新しい治療体系を確立できる可能性もあり、日本の医療水準を高めることに貢献できると考えている。
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