研究課題
基盤研究(C)
我々はこれまで生理活性ペプチド、アドレノメデュリン(AM)と、その受容体活性調節タンパクRAMP2による各臓器の恒常性維持機構に注目してきた。本研究では、各種の骨格筋特異的なRAMP2遺伝子改変マウスや、サルコペニアモデルマウスなどを応用して、骨格筋におけるAM-RAMP2系の病態生理学的意義を解明すると共に、AM-RAMP2系を基軸とした、骨格筋と血管、各臓器との連携を解明する。次にAM-RAMP2系による細胞、臓器恒常性維持作用に人為的に介入し、これを操作することで、サルコペニア・フレイルの新しい予防、治療法に展開する。
筋傷害薬カルジオトキシン(CTX)を用いた、マウス骨格筋萎縮、再生モデルを作成し、アドレノメデュリン(AM)と、その受容体活性活性調節タンパクであるRAMP2の、骨格筋とサルコペニアの病態における意義を検討した。RAMP2ヘテロノックアウト(RAMP2+/-)マウスでは、野生型マウスと比較して、CTXの投与後、前脛骨筋における炎症の消退遅延、骨格筋の再生遅延が認められた。一方、野生型マウスにAMを外因性に持続投与すると、炎症が抑制され、筋断面積が大きくなった。これらの結果から、AM-RAMP2系が骨格筋の傷害に対して抑制的に働いていることが明らかとなった。
超高齢化社会が進行する中で、高齢者の生活機能障害を予防し、QOLを維持することは喫緊の課題である。最近、サルコペニア・フレイルの様な新しい概念が提唱されたが、我々は、生体内の恒常性制御のメカニズムの解析を進め、その病態を解明することが重要であると考えた。我々は生理活性ペプチド、アドレノメデュリン(AM)と、その受容体活性調節タンパクRAMP2による生体内の恒常性維持機構に注目してきた。AM, RAMP2は骨格筋にも豊富に存在するが、その機能や病態との関係は不明である。本研究ではAM-RAMP2システムのサルコペニア・フレイルにおける病態生理学的意義と治療応用の可能性を検証した。
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