研究課題/領域番号 |
20K07895
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
大木 伸司 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第六部, 室長 (50260328)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | プロラクチン / 下垂体 / 抗原提示細胞 / 自己免疫疾患 / Eomes陽性Th細胞 / 自己反応性Th細胞 / 非下垂体性 / NR4A2 / 慢性炎症 / 中枢神経疾患 / 病原性T細胞 / 非下垂体性プロラクチン / 免疫就職 / 異所性プロラクチン / 実験的自己免疫性脳脊髄炎 / 膠原病 / 自己反応性T細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
プロラクチン(以下PRL)は、下垂体前葉が分泌するホルモン分子であり、様々な自己免疫疾患に関わると考えられる。一方、自己免疫疾患に対する免疫細胞由来のPRLの役割は明確ではない。多発性硬化症(MS)である二次進行型MS(SP-MS)では、転写因子Eomesを発現するヘルパーT(Th)細胞が病態形成に関わること、CNSに浸潤したB細胞などの抗原提示細胞由来のPRLが、Th細胞のEomes発現を誘導することを見出した。本研究では、中枢神経系の自己免疫疾患におけるPRLの産生細胞、標的細胞及びその作用機序をマウスとヒトの両面から多角的に解析し、自己免疫疾患におけるPRLの作用の全容解明を目指す。
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研究成果の概要 |
プロラクチン(以下PRL)は下垂体ホルモンの一種であるが、免疫細胞等が産生する異所性PRLの挙動は未知であり、自己免疫疾患の病態形成との関係も不明である。我々はこれまでに、二次進行型MS(SP-MS)の病態形成に密接に関わるEomes陽性ヘルパーT(Th)細胞のCNSでの生成に、抗原提示細胞が異所性に産生するPRLが重要な役割を果たすことを見出した。本研究では、マウスおよびヒトの系を用いて、抗原提示細胞を含む免疫細胞が産生する異所性PRLが、Eomes陽性Th細胞の誘導を介して、中枢神経系の自己免疫疾患にいかに影響を及ぼすか、について多角的な解析を行ない、重要な知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
プロラクチン(以下PRL)は下垂体ホルモンの一種であるが、免疫細胞等が産生する非ホルモン生の異所性PRLの挙動は未知であり、自己免疫疾患の病態形成における役割も不明である。本研究成果の学術的意義は、中枢神経疾患に伴う慢性炎症が引き金となってCNS内に集積する種々の免疫細胞が、異所性PRLを介してEomes陽性Th細胞の生成、およびこれに起因する中枢神経系の自己免疫疾患に及ぼす効果を明らかにした点にある。局所的に産生される異所性PRLの役割を明らかにすることで、中枢神経疾患の病態解明と治療法開発に資する複数の結果を取得することに成功している。
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