研究課題/領域番号 |
20K07933
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
土生川 光成 久留米大学, 医学部, 准教授 (40343701)
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研究分担者 |
内村 直尚 久留米大学, 医学部, 教授 (10248411)
森 裕之 久留米大学, 医学部, 助教 (20461460)
小曽根 基裕 久留米大学, 医学部, 教授 (50246386)
角間 辰之 久留米大学, 付置研究所, 教授 (50341540)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | うつ病 / 不眠 / ベンゾジアゼピン受容体作動薬 / 長期使用 / 減薬 / スボレキサント / ベンゾジアゼピンの減量・中止 / エスゾピクロン / ベンゾジアゼピン / 減量中止 / 前向き研究 |
研究開始時の研究の概要 |
不眠を有するうつ病の治療において、抗うつ薬のみによる治療では不眠のコントロールが困難なため、ベンゾジアゼピン(BZD)受容体作動薬が睡眠薬として併用されることが多い。しかし近年BZDを長期使用すると依存の形成、高齢者での転倒・骨折、認知機能低下と関連することが判明し社会問題となっている。 このため本研究では不眠を有するうつ病患者に、抗うつ薬とBZD受容体作動薬(睡眠薬)の併用療法を行い、治療8週までにBZDを中止できない場合に、BZDとは作用機序が異なり依存や転倒・骨折の副作用が少ない睡眠薬であるオレキシン受容体拮抗薬を追加投与することで、BZDの長期投与を減らせるかどうかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
不眠を有するうつ病治療において、抗うつ薬単剤では不眠のコントロールが困難なため、睡眠薬としてベンゾジアゼピン受容体作動薬(BzRAs)が併用される。しかしBzRAsの長期使用は依存の形成、転倒・骨折、認知機能低下が問題となる。我々が以前に行ったうつ病患者330名の後方視研究では、BzRAsの1年間の長期使用率が70.3%と高率であった。 このため本研究ではうつ病患者20名に対して、治療早期にBzRAsを中止できない場合に、作用機序が異なるスボレキサントを追加投与したところ、BzRAsの1年間の長期使用率は25%まで減らすことができ、スボレキサント追加投与はBzRAsの中止に効果があった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
不眠にベンゾジアゼピン受容体作動薬(BzRAs)が高頻度に使用されるが、BzRAsの長期使用は依存形成、高齢者での転倒・骨折、認知機能低下と関連し社会問題となっている。長期使用者の約半数はうつ病患者である。睡眠薬の減量法としては漸減法や認知行動療法が有用であるとされるが、本邦でのBzRAsの減量・休薬に関する研究は絶対的に不足している。 本研究で不眠を併存するうつ病患者20名に早期にBzRAsを中止できない場合に作用機序が異なるスボレキサントを追加することでBzRAsの1年間の長期使用を著しく減少させることができた。これはうつ病でのBzRAsの減量・休薬指針となり社会的意義が非常に大きい。
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