研究課題/領域番号 |
20K07937
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
堀 弘明 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 行動医学研究部, 室長 (10554397)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 概日リズム / 免疫炎症系 / Interleukin-6 / ストレス / トラウマ / うつ病 / 炎症 / 遺伝子多型 / Cortisol / 幼少期被虐待体験 / PTSD / 視床下部-下垂体-副腎系 / 炎症系 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、うつ病患者・PTSD患者・健常対照者を対象に、1日5時点・2日連続で採取した唾液サンプルからストレスホルモンのcortisolと炎症物質のinterleukin-6 (IL-6)の濃度を測定し、その概日リズムを求め、疾患との関連を検討する。同時に、ウェアラブル生体センサを用いて測定した活動量から活動-睡眠概日リズムを求め、cortisol・IL-6の概日リズムとの関連を検討する。さらに、HPA系と炎症系を制御する複数の遺伝子の多型を決定し、個人差の要因を探索する。 これらの検討により、HPA系・炎症系を焦点としたうつ病とPTSDの病態解明およびバイオマーカー同定を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、ストレスやうつ、トラウマに関連した概日リズムの変化を明らかにすることである。各被験者から、連続2日間にわたり、1日あたり5時点での唾液サンプリングを行い、免疫炎症系の概日リズムに着目した一連の検討を行った。その結果、幼少期被虐待体験は唾液中interleukin-6濃度の日内変動平坦化に関連すること、interleukin-6濃度の日内変動平坦化は抑うつ症状や扁桃体の情動反応性と関連すること、さらにその平坦化はIL6遺伝子の多型と心理社会的ストレス間の相互作用によって予測されることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
うつ病やトラウマに免疫炎症系の変化が関連するという報告が近年増加しているが、それらの知見は一致しておらず、未解明の点が多い。概日リズムに着目した本研究は、これらのメンタルヘルス問題に関連した免疫炎症系変化について新たな視点を提示するものである。本研究の結果から、子ども時代の持続的なストレスによって免疫システムの概日リズムに持続的変化が生じる可能性が示唆されるとともに、うつ病の脆弱性についての神経生物学的メカニズムの一端が明らかにされたものと考えられ、今後のさらなる研究によってうつ病やPTSDの早期発見や予防法の開発につながることが期待される。
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