研究課題/領域番号 |
20K07938
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
吉田 隆行 広島大学, 医系科学研究科(医), 准教授 (60374229)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 観察恐怖学習 / 幼若期ストレス / 内側前頭前皮質 / セロトニン / 恐怖学習 / ストレス / パッチクランプ法 |
研究開始時の研究の概要 |
1. 幼若期にストレスを受けたマウスならびに 5ht2c受容体遺伝子欠損(5-HT2CKO)マウスにおける観察恐怖学習(共感様行動)を評価する。 2. 関連脳部位に逆行性トレーサーおよびアデノ随伴ウィルスベクターによる神経標識を行 い、観察恐怖学習に関与する神経回路ネットワークについて解析する。 3. 神経活動に依存的な遺伝子プロモーターにより観察恐怖に応答する神経細胞を機能的に標識し、その特徴と特性を形態解剖学的および電気生理学的に解析する。
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研究成果の概要 |
幼若期における心身の過剰なストレスによって生じる情動機能障害モデルマウス(幼若期ストレスマウス)を用いて観察恐怖学習(負の共感様行動)とその変容に関わる中枢神経系の神経回路ネットワークとその基盤となる神経細胞の活動について研究した。5-HT2CKOマウスは共感性が欠如し、幼若期ストレスマウスは観察恐怖学習が亢進している可能性が示唆された。幼若期ストレスマウスの内側前頭前皮質の錐体細胞の神経活動をスライスパッチクランプ法にて解析した結果、ストレス負荷群の雌マウスでは活動電位の頻度上昇が認められたが、雄マウスでは変化していなかった。これは女性のうつ病発症リスクが高いことの一因となる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
共感性の変容には先天性と後天性がある。例えば、自閉症スペクトラムや統合失調症などは先天的な共感性欠如が認められる場合がある。観察マウスのすくみ行動およびにおい嗅ぎ行動を共感様行動と解釈すれば、セロトニン2C受容体欠損マウスでは共感性が欠如しており、前述の精神疾患と同受容体との関連性が示唆される。幼若期ストレスマウスの内側前頭前皮質の錐体細胞の神経活動は雌マウスで亢進しており、雄マウスでは変化していなかった。これは女性のうつ病発症リスクが高いことの一因となる可能性がある。
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