研究課題/領域番号 |
20K07941
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
西村 倫子 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任講師 (30773791)
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研究分担者 |
土屋 賢治 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任教授 (20362189)
岩渕 俊樹 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任講師 (20711518)
奥村 明美 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (40767943)
崔 多美 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (50791836)
原田 妙子 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (60525963)
武井 教使 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 教授 (80206937)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 性差 / 軌跡 / 神経発達 / 適応行動 / 早期徴候 |
研究開始時の研究の概要 |
自閉スペクトラム症(ASD) の有病率の男女比は以前に考えられていたよりも小さいというエビデンスが蓄積されてきている。特に知的障がいを伴わない女性では、そのASD特性が見過ごされ、未診断もしくは診断時期の遅れが学齢期における不登校、成人期における精神症状の合併などのリスクを高めている可能性が指摘されている。本研究の第一の目的は、一般集団を対象に、診断閾下のASD特性をもつ女児について、その早期徴候を捉えることである。第二の目的は、ASD特性や神経発達・適応行動の軌跡に男女差があるかどうかを検討することである。
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研究成果の概要 |
自閉スペクトラム症(ASD)の有病率は男性に多いとされてきたが、近年、特に知的障害を伴わない女性でASD特性が見逃されている可能性が指摘されている。ASDは早期の療育によって良好な予後が期待でき、早期徴候を適切に捉えることが重要である。本研究では浜松母と子の出生コホート研究に参加する児を対象に、一般集団におけるASDの早期徴候の性差について検討した。その結果、表出言語とコミュニケーションの発達軌跡に性差がみられることが確認された。男子では2歳頃に表出言語の遅れがみられるのに対し、女子では明確な徴候はみられなかった。一方女子では3.5歳以降にコミュニケーションの低下が顕著になる軌跡が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、9歳時点で高い自閉症特性を持つ男女(それぞれ分布の約3%)が異なる発達の軌跡を示すことを明らかにした。軌跡の性差は、2歳ごろの表現言語と3歳以降の適応行動としてのコミュニケーションに現れた。この結果は、言語機能の明らかな低下が見られなくても、コミュニケーションスキルへの早期介入が自閉症特性をもつ女子にとって有益であることを示唆している。一方、自閉特性を持つ男子では、特に表現言語において、2歳ごろに早期徴候が現れる可能性がある。今回の結果は、軌跡の性差を考慮して、適切な時期にスクリーニングを行うことと、それぞれの特性に合わせた早期支援・介入システムの構築の有用性を示唆している。
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