研究課題/領域番号 |
20K07949
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 (2021-2022) 奈良県立医科大学 (2020) |
研究代表者 |
紀本 創兵 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (00405391)
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研究分担者 |
橋本 隆紀 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (40249959)
山室 和彦 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (60526721)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 死後脳解析 / 認知機能障害 / 統合失調症 / ミトコンドリア / 酸化的リン酸化 / 樹状突起スパイン / アクチン動態 / 作業記憶 / 国際共同研究 / 視空間作業記憶 / 死後脳 / 作業記憶ネットワーク / OXPHOS |
研究開始時の研究の概要 |
統合失調症の認知機能障害は、「興奮性-抑制性神経伝達の変化による脳リズム活動の破綻」が基盤となっている。この脳リズム活動の破綻機序を明らかにする目的として、統合失調症の発病や病態生理にミトコンドリア機能に関連した遺伝子変化がどのように関与し認知機能障害を担う脳リズム活動の変化と関連するのかを、ヒト死後脳やアカゲサルの脳組織、培養細胞を用いて検証することである。 本研究の成果は、興奮性および抑制性ニューロンでのミトコンドリアの機能変化に対する標的分子を対象とし、当該疾患に対する診断や治療法の創発を目指す世界初の試みである。
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研究成果の概要 |
統合失調症で障害が認められる視空間作業記憶は、主に後頭頂葉皮質および背外側前頭前野と、これら領域に視覚情報を伝える後頭葉の一次視覚野および二次視覚野の皮質4領域によるネットワーク活動によって実現される。疾患の視空間作業記憶障害の生物基盤を明らかにするために、アクチン動態に関連する遺伝子とATP産生に関与するOXPHOS関連遺伝子、TMEM59遺伝子の発現変化について死後脳解析を行なった。視空間作業記憶を形成する皮質領域でのアクチン関連およびOXPHOS関連遺伝子、およびTMEM59の発現変化が存在し、各皮質領域の変化が疾患における作業記憶の障害に寄与をする可能性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
統合失調症の認知機能障害は、日常生活や予後に大きな影響を与えることがわかっている。認知機能障害の生物基盤を明らかにするために、大脳ネットワークレベルで、死後脳を使って検討を行ない、その病態基盤の一助を明らかにした。本研究の成果の発展が、治療薬の創発に繋がると考えている。
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