研究課題/領域番号 |
20K07986
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター(臨床研究部) |
研究代表者 |
小田 祐子 独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター(臨床研究部), 臨床研究部, 医師 (70721265)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / ASD / 聴性定常反応 / 脳波 / ASSR / 発達障害 / 機能的MRI / 自閉症スペクトラム障害 / 調整定常反応 |
研究開始時の研究の概要 |
近年自閉スペクトラム症(ASD)への関心と需要が高まっている一方で十分な生物学的研究は行われておらず、神経回路異常についてはほとんど未解明である。本研究の目的は、ASDを対象に、i)多チャンネル脳波計を用いて定常調整反応の測定を行うこと、ii)安静時機能MRIを測定して脳内の機能結合の評価を行い、ASDの科学的診断方法及び客観的治療反応性評価の確立を目指す事である。またASDと統合失調症(SC)の異同の検証を行う。両疾患の共通性・異種性が解明されれば、現在の疾患概念に影響を与える可能性があり、さらに未だ体系化されていないASDの治療法を見出す画期的な糸口となることが期待される。
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研究成果の概要 |
40Hz刺激に対する位相同期性がASD患者において有意に低下していた。症状評価と位相同期性の相関では、ADOS-2のB9 (対人的働きかけの質)において位相同期性と有意な負の相関を認めた。今回の結果は、SCにおいてγ帯域ASSRの減少の先行研究と一致した。一方でASDにおいてASSRに健常者と比較して有意差を認めないという報告も示唆されている。今回は、社会に出て働いている患者なども対象としており、症状との相関は検出されにくかったことは考察される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ASDは社会的コミュニケーションの困難さと限定された興味や常同的・反復的行動を中核症状とするがその主要な症状に対して有効な治療は確立されておらず、 社会生活に支障をきたす最大の原因となっている。またさらにASDの感覚特性の問題は大きな注目を集めており、そのアセスメントの開発は重要である。今回の結果からASDの病態に神経活動の同期の低下が関与している可能性が示唆された。ASDの科学的診断方法及び客観的治療反応性評価の確立するためには、神経生理学的評価が必要であり、今回の結果がASDの病態解明や生理学的評価法の開発、そして確立されていないASDの支援 に多大な貢献ができると考える。
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