研究課題
基盤研究(C)
本研究では、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)で行った「上咽頭癌に対する強度変調放射線治療(IMRT)の多施設共同第II相試験(JCOG1015)」の附随研究である。線量体積ヒストグラム(DVH)と個々の症例の晩期有害事象の結果を基に、晩期有害事象の線量効果関係を明らかにし、各リスク臓器の耐容線量もとめる。JCOG1015では全例の治療計画はレビューされ、そのDVHデータの信頼性は高い。晩期有害事象も前向きに評価されている。以上本研究によって、頭頸部IMRTにおけるリスク臓器の臓器特異的な耐容線量を明らかにできる。
「上咽頭癌に対する強度変調放射線治療(IMRT)の多施設共同第II相試験(JCOG1015)」の線量体積ヒストグラム(DVH)と74例の患者データを用いて、DVH因子と臓器特異的晩期有害事象との線量効果関係を検討した。その結果、脊髄炎G1以上と脳幹D1cc≧55.8Gy、中枢神経壊死G1以上と脳D1cc≧72.1Gy、聴覚障害G2以上と内耳Dmean≧44Gy、および視神経障害と眼球Dmax≧36.6Gyとの間に有意な線量依存関係が確認された。頭頸部腫瘍に対するIMRTにおいては、内耳、脳幹線量のさらなる低減が望ましいと考えられた。
本研究は、「上咽頭癌に対する強度変調放射線治療(IMRT)の多施設共同第II相試験(JCOG1015)」の線量体積ヒストグラム(DVH)と患者データを用いて、晩期有害事象と正常臓器の線量効果関係を明らかにした研究である。全例3年以上の経過観察を行った質の高い臨床試験のデータを基にした解析で、信頼性は高い。内耳線量、脳幹線量などと、聴覚障害、脊髄炎との関係が示され、研究成果は、原著論文として掲載された。本研究の成果は、次の臨床試験のプロトコール作成およびより安全な頭頸部腫瘍IMRTの標準化に役立つものと考えられる。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 1件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 5件)
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