研究課題/領域番号 |
20K08062
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
佐野 紘平 神戸薬科大学, 薬学部, 准教授 (00546476)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | セラノスティクス / イメージング / がん治療 / ポリマー / 放射性医薬品 / 核医学 |
研究開始時の研究の概要 |
医薬品の可溶化剤等として臨床利用される生体適合水溶性ポリマーは、それ自体ががん組織に集積するか否かについて殆ど明らかにされていない。本研究では、種々の分子構造的特徴を有する水溶性ポリマーが如何なる機構でがん組織内に取り込まれるか、また、その放射性標識体ががんの核医学診断用薬剤になりうるかについて検証する。また、水溶性ポリマーが持つ熱応答凝集作用に着目し、熱をトリガーとしたがん組織へのポリマー送達量の改善ならびに、治療用放射性標識体を用いるがん治療の可能性を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、がんの高精度な核医学診断と治療を融合したラジオセラノスティクスに資するポリマー型薬剤の開発を目的として、スマートポリマーとして熱応答凝集性を示すポリマーを利用することとし、その放射性標識体を新規に合成した。がん細胞への取り込みおよび体内動態を評価し、がんを標的とする診断用薬物キャリアとして最適な分子構造を選定するとともに、がんの加温処置と組み合わせることで、放射性標識ポリマーをがんへ高く集積させることに成功した。一部のポリマーについては、高いがん治療効果を示したことから、熱応答凝集性ポリマーを基盤とした放射性薬剤を用いるがん標的ラジオセラノスティクスの可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、次世代ドラッグデリバリーシステム製剤の開発に対する期待は高く、がんの化学療法において、抗がん剤の生体内分布を量的かつ時空間的に制御し、がん特異的な治療効果を達成することは、がんの根治に繋がるのみならず、正常組織における副作用を低減し、患者の苦痛の軽減と療養生活の質の維持向上に貢献するものと考えられている。実際、本研究課題において、ポリマーを基盤とする放射性薬剤開発を推進し、温熱療法との組み合わせにより、高いがん集積性および高い治療効果を示す可能性を明らかとした。ポリマーに対する化学修飾の容易性の観点から、今後様々な抗がん剤を導入し、より高いがん治療効果を示す薬剤開発へと繋げていきたい。
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