研究課題/領域番号 |
20K08103
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
磯崎 誠 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 講師 (60464054)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 脳循環評価 / Arterial Spin Labeling / PET/MRI / Cerebral blood flow / MR imaging / PET / 脳血流量 / MR Imaging / Arterial spin labeling |
研究開始時の研究の概要 |
脳血管が細いまたは詰まっているなどで脳血流が障害されることが、脳梗塞の原因である。この脳血流障害の程度を評価する検査法は放射性物質を用いた検査(RI検査)が現在の主役である。しかしこれは微量ではあるが被曝するというデメリットがある。一方、近年ではMRIでもASLという撮影法で脳血流が評価できるようになってきている。これなら被曝せずに脳血流を評価できるが、検査の信頼性がまだ低くRI検査に代わるものにはなれていない。本研究はこの低い信頼性の原因となっている脳血流の循環時間(ATD)を補正して信頼性を上げた新たな撮像法(Hadamard-encoded ASL)を確立させることが目的である。
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研究成果の概要 |
PET/MRI装置を用いて15O-water PETとHadamard encoded ASLを行い、脳血流量(CBF)とArterial transit time(ATT)、アセタゾラミド負荷による脳血管反応性(CVR)を測定した。それぞれの相関解析を行ったところCBFに関してPETとASLで得られたデータは統計学的有意に相関した。またCVRとATTは有意な逆相関を示した。MRIを用いたCBFとATTの評価は従来の核医学検査で計測されたCBF、CVRと強く相関しており、将来的には被曝しないより低侵襲なMRI検査による脳循環評価が可能になると示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
虚血性脳血管障害の脳循環評価は、現在SPECT、PETといった核医学検査によって行われている。本研究ではMRIを用いた新しい脳循環検査法(Hadamard encoded ASL法)で得られたCBF、ATTはPETで得られたCBFおよびアセタゾラミド負荷によって得られたCVRと強く相関していることが証明された。これはMRIという被曝せずに薬剤も使わずに行える検査が今後の脳循環評価のスタンダードになりえる可能性を示唆する結果である。より低侵襲な検査法の開発であり、臨床診療における意義は大きいと考える。
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