研究課題/領域番号 |
20K08117
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
齋藤 陽平 東北医科薬科大学, 薬学部, 講師 (10613698)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 放射線 / APOBEC3 / DNA損傷 / 核小体 / 核マトリクス / APOBEC3B / 突然変異 |
研究開始時の研究の概要 |
放射線の生体・環境への影響への社会的関心、今日の医療の発達による医療放射線量の増加と医療従事者の職業被ばく量増加、さらに放射線量の多い作業環境での活動や防護の問題など、放射線被ばくのさらなるリスク評価やリスクの低減が求められている。放射線被ばくによるがん化リスクは、DNAの損傷に基づく突然変異による部分が大きい。放射線照射による突然変異は、がん遺伝子であるAPOBEC3Bが介在することでDNA損傷部位及び非損傷部位において強く影響を受ける可能性が示された。本研究では、DNA損傷後に核内で集積にするAPOBEC3Bの相互作用分子とその作用機構を解析し、放射線防護剤や抗がん剤開発を目指す。
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研究実績の概要 |
がん化リスクを抑制する分子機構を明らかにするためにAPOBEC3B(A3B)発現もしくは欠損細胞を用いてDNA損傷修復及び複製段階における相互作用分子の同定及び機能解析を行うことを目的としている。共焦点顕微鏡による観察では、A3Bは核小体には存在せず核内に不均一に拡散しており、核膜の裏側には少ないことが明らかになっている。細胞分画により局在を確認するとその多くが核マトリクス分画に存在した。DNA障害時も核マトリクス分画に存在し、クロマチン分画に移行することはなかった。A3Bと相互作用するタンパク質解析のため、A3B-FLAGタグ発現細胞の作成を試みたが、ウェスタンブロットによるA3B-FLAGタグタンパク質の発現は見られたものの免疫沈降ができなかった。改善策としてリンカーの挿入やタンデムタグ化を行った。 免疫沈降はできたが、もう一つのタグによる精製ができなかった。そこでA3B-AcGFPをターゲットに変更し、VHH抗体を用いて免疫沈降を行なった。共沈タンパク質をLC-MS、D I A分析を行いPrecursor FDR と Protein FDR がともに 1% 以下となるタンパク質の同定ならびに定量値の算出を行なった。定量値の大きいタンパク質の多くが核マトリクスタンパク質として知られるタンパク質であった。さらにDNA複製、転写、DNA修復に関与するタンパク質群も多く検出された。また核小体に存在するリボソームタンパク質がほとんど検出されなかった。これは、A3Bが核小体に存在しないことに一致した結果だと考えられる。現在、同定されたタンパク質とA3Bの結合の解析を行なっている。またA3Bは、核小体ストレスにより局在が変化することを確認していたが、抗がん剤の種類により核小体内部や核小体外縁部もしくは周辺部など集積パターンが異なることが明らかになり、現在も解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
APOBEC3Bが不溶性でまだ機能的な解析が不十分な核マトリクスに結合するタンパク質であり、またAPOBEC3Bの変異導入が行われると考えられるDNA複製、転写、修復に関するタンパク質がDIA解析の結果、数多く同定されたため、解析に時間を要する。
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今後の研究の推進方策 |
今後も相互作用タンパク質の解析を行っていく。特に相互作用タンパク質のうち、機能に影響を与えるものを中心に解析を行う予定でいる。
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