研究課題
基盤研究(C)
本研究では、PD-L1発現と低酸素誘導因子HIF-1の関連性を明らかにし、FDG及び低酸素イメージング製剤であるFMISOを用いたPETにてICIの予測因子としての低酸素の役割を明らかにする。複合免疫療法がなされた肺癌腫瘍組織の低酸素誘導、免疫微小環境及び糖代謝に関するマーカーを評価し、臨床試験でFMISO-PETの治療前後でのモニタリングとしての有用性を確認し、低酸素イメージングの免疫療法における治療効果における意義を明らかにする。PD-L1含む免疫微小環境を低酸素イメージングの観点から明らかにし複合免疫療法のバイオマーカーとしての低酸素状態の意義を明らかにする。
肺癌細胞株のin vitro研究でFDGおよびFMISOの取り込みはHIF-1の阻害で細胞内取り込みが減少した。FMISOとHIF-1との関連が有意で、PD-L1発現との関連性は両PETトレーサーとも有意ではなかった。PD-1阻害剤を受けた肺癌100例の治療前腫瘍組織でPD-L1, CD4, CD8, FOXP3, HIF-1α発現を評価した。PD-L1とHIF-1α発現は有意な相関がみられ、HIF-1α高発現はPD-1阻害剤の治療抵抗性に関連していた。免疫治療のモニタリングとしてFMISO-PETの臨床試験を行い現在まで16例登録でウクライナ紛争のため試薬製造が進めず現在も進行中である。
本研究は癌治療で中心の免疫治療の治療効果を予測するための非侵襲的なPETでの有用性を検討する内容である。FDGは一般使用されているが、低酸素を評価するFMISO-PETは研究用のPETではあるが、免疫治療の効果を評価するのに優れている可能性が期待されている。この研究で低酸素マーカーと免疫治療の関連性は認められ、特にその発現が治療抵抗性に関係している。FMISO-PETの免疫治療のモニタリングの有用性が主目的であり、臨床試験を実施して20例中16例が登録された。これはロシアとウクライナ紛争のためFMISO試薬がしばらく届かず試験が順調にいかなかった。現在、試験進行中で終了後解析予定である。
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