研究課題
基盤研究(C)
I-131 MIBG内用療法は難治性褐色細胞腫、神経芽腫の治療に有用であるが、骨髄抑制が必発である。骨髄抑制のリンパ球障害を顕微鏡目視下で確認する既存方法は煩雑であり、簡易測定法の確立が求められている。本研究では、DNA損傷指標のγ-H2AXとDNA損傷修復指標の53BP1を用いて、治療後のリンパ球障害の程度をフローサイトメトリーで測定する簡易な骨髄抑制予測法の確立を目指す。
本研究では、DNA損傷指標のγ-H2AXを用いて、放射線治療後のリンパ球障害の程度をフローサイトメトリー(FCM)で測定する簡易な骨髄抑制予測法の確立を目指す。外照射、内照射後のリンパ球障害をγ-H2AXを用いてFCMで評価し、被ばく量とリンパ球障害の程度、経時的なリンパ球障害の変化を検討した。外照射によるリンパ球のDNA損傷は、吸収線量に正の相関を持つことが証明された。外照射による損傷からの回復が3日以内であることが確認されたが、低線量内部照射によるリンパ球損傷は24時間以内に回復することが確認された。FCMは、放射線によるDNA損傷を定量的に評価する有効な方法であることがわかった。
本研究では、DNA損傷指標のγ-H2AXを用いて、放射線治療後のリンパ球障害の程度をフローサイトメトリーで測定する簡易な骨髄抑制予測法の確立を目指した。フローサイトメトリーで評価できる放射線外照射後のリンパ球障害の程度は線量と相関関係があり、障害の回復過程も確認できた。I-131によるリンパ球障害はフローサイトメトリーでの検出が可能であった。日本の放射線同位元素(RI)治療で用いられる核種は主にI-131であり、本研究の結果は我が国におけるRI治療後の被ばく管理に応用できる。フローサイトメトリーによる評価はRI治療後の被ばく管理に応用でき、広く役立つと考えられる。
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