研究課題/領域番号 |
20K08140
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
|
研究機関 | 北海道大学 (2021-2023) 琉球大学 (2020) |
研究代表者 |
片桐 千秋 北海道大学, 薬学研究院, 特任助教 (00443664)
|
研究分担者 |
石内 勝吾 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10312878)
菅原 健一 琉球大学, 病院, 講師 (50375573)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 高気圧酸素療法 / 放射線治療 / 認知機能 / 神経保護作用 / 放射線 / HBO / 照射線照射 / 放射線照射療法 / 放射線障害 / 能・神経 |
研究開始時の研究の概要 |
脳腫瘍摘出後に行われる放射線療法は加療期間中の副作用として認知機能の低下を伴い、患者のQOLを著しく低下させるため、その予防策の開発は必須である。脳腫瘍への放射線治療に高気圧酸素療法(HBO)を併用した臨床第Ⅱ相試験では患者の全生存期間の延長をもたらした。本研究はHBOを併用した放射線照射が神経脳神経細胞および神経ネットワークに及ぼす影響と認知機能に与える影響について動物実験を用いた神経科学的な解析を基盤として臨床試験を行い、放射線照射による認知機能低下における予防策の有効性を探索する研究である。
|
研究成果の概要 |
悪性神経膠腫の標準治療は手術による腫瘍の摘出と術後の化学療法を併用した放射線照射治療であるが、放射線照射は副作用として患者の認知機能を低下させる側面をもつ。本研究は放射線による神経損傷、それに伴う認知機能の低下に対して高気圧酸素療法の併用が神経保護効果を示し、認知機能低下を予防するメカニズムについてモデル動物を用いて解析した。放射線照射により大脳白質領域の神経細胞の軸索縮小と成熟スパインの減少が観察された。これに対して高気圧酸素療法併用群では大脳白質における軸索の長さおよび成熟スパインの数がコントロールである非照射群と同等に維持され、高気圧酸素併用による神経保護作用を明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高気圧酸素療法は減圧症の治療、末梢循環不全により低酸素環境となった末梢組織の改善や突発性難聴、そして抗がん剤と併用される脳腫瘍の放射線治療に有効であるとし保険適応治療となっている。高気圧酸素療法の研究は臨床試験研究にとどまっており本研究による神経細胞の動態および認知機能への影響を明らかにしたことは学術的に新しい発見であっただけでなく、認知機能低下の予防方法として放射線治療の一助となる。
|