研究課題/領域番号 |
20K08165
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪市民病院機構大阪市立総合医療センター(臨床研究センター) (2022-2023) 京都府立医科大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
森 潤 地方独立行政法人大阪市民病院機構大阪市立総合医療センター(臨床研究センター), 臨床研究センター, 部長 (20750011)
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研究分担者 |
森元 英周 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20827539)
中島 久和 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (80363985)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ACE2 / Ang1-7 / 褐色脂肪細胞 / ベージュ化 / メチル化 / 肥満 / 小児肥満 / 褐色脂肪 |
研究開始時の研究の概要 |
褐色脂肪細胞の人為的調節は、脂肪組織量のコントロールを可能とし、引いては肥満症の撲滅を可能とする。研究代表者は2014年より褐色脂肪細胞分化増殖の分子機構としてアンジオテンシン変換酵素2 (ACE2)/アンジオテンシン1-7 (Ang1-7)システムに着目し、いくつかの分子機構を解明している。今回ACE2/Ang1-7システムの転写制御による新機構の端緒となるデータを得たため、転写複合体PRDM16/EHMT1のメチル化による制御機構の解明を目的とした研究を提案する。研究成果は上述のように抗肥満症薬剤の開発に繋がると期待される。
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研究実績の概要 |
月齢1か月時から高脂肪食を与えた肥満マウスに対して、高脂肪食開始1か月後から1か月間Ang1ー7とrecombinant human ACE2 (rhACE2)の投与を行い、酸素消費量増加を伴う体重減少、耐糖能改善、白色脂肪細胞 (WAT)の減少を認めた。褐色脂肪細胞 (BAT)は重量が増加し、分化・増殖マーカー (PRDM16, PGC-1a)の発現亢進とインスリンシグナルの改善をを示した。このことはACE2/Ang1-7系がBATの分化・増殖により抗肥満効果を発揮することを示している。さらにrhACE2投与群では、Ang1-7投与群で認めなかったWATのベージュ化も認め、rhACE2のAng1ー7よりもより強い抗肥満効果にはベージュ化が影響していることが考えられた。このベージュ化の分子メカニズムにH3K9のジメチル化、H3K9とH3K27のアセチル化が関与していると考えられた。 ACE2/Ang1ー7系の抗肥満効果が年齢により違いがあるかを検討するために月齢2か月 (young obese)と月齢4か月 (aged obese)の高脂肪食誘導マウスを作出し、1か月間Ang1-7の投与を行ない評価をした。Ang1-7投与によりyoung obeseではBAT重量が増加したが、aged obeseではBAT重量は減少した。さらに組織の検討ではyoung obeseの方が大滴性の脂肪数は減少した。リピドーム解析により脂肪組成にも違いが生じることを確認した。この月齢によるBATへの反応の違いは、将来的なBATをターゲットにした抗肥満薬の創薬開発に役立つと考えれる。
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