研究課題/領域番号 |
20K08181
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
漆原 真樹 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部医学域, 教授 (50403689)
|
研究分担者 |
香美 祥二 徳島大学, 病院, 病院長 (00224337)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 糸球体上皮細胞 / レニンーアンジオテンシン系 / 慢性腎臓病 / レニン・アンジオテンシン系 / アンジオテンシン / インシュレーター |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは小児腎病態における腎内レニン・アンジオテンシン系(renin-angiotensin system: RAS)活性化の病態機序について研究を続けてきた。申請者らの最新の研究でインシュレーターの構成蛋白の一つであるCTCFを糸球体上皮細胞特異的にノックアウトしたマウスを作製したところ上皮細胞の虚脱変化による糸球体障害を認めるというたいへん興味深い知見を得た。本研究では遺伝子間の相互干渉を防ぐ仕組みであるインシュレーターの糸球体上皮細胞における役割を解明し腎内RAS活性化による蛋白尿の新たな病態機序を明らかにすることにより効果的な治療法を探求する。
|
研究成果の概要 |
本研究では遺伝子間の相互干渉を防ぐ仕組みであるインシュレーターの糸球体上皮細胞における役割を解明し腎内レニン・アンジオテンシン系活性化による蛋白尿の新たな病態機序を解明する。糸球体上皮細胞特異的にインシュレーターCTCFをノックアウトしたマウスは上皮細胞の虚脱変化が認められた。さらにアンジオテンシン受容体拮抗薬を投与すると上皮細胞障害が軽減していた。また尿蛋白量も低下し腎機能も改善していた。また単離培養した上皮細胞はアンジオテンシンIIの刺激によりポドシンの発現が低下しアポトーシス細胞が増加していた。CTCF制御による腎内RAS活性化の糸球体上皮細胞障害の新たな病態機序が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、蛋白尿の原因として糸球体上皮細胞とその足細胞突起間に存在するスリット膜による蛋白濾過障壁機構の破綻が着目され、難治性の腎病態解明の治療戦略が期待されている。また、レニン・アンジオテンシン系(renin-angiotensin system: RAS)と糸球体上皮細胞は密接な関係があり、アンジオテンシンII刺激により細胞生存や分化異常、スリット膜関連分子の発現低下が起こり糸球体硬化を誘導する。本研究では遺伝子間の相互干渉を防ぐ仕組みであるインシュレーターCTCFの糸球体上皮細胞における役割を解明し腎内RAS活性化による蛋白尿の新たな病態機序を解明し有効な治療法となり得ることを示唆した。
|