研究課題/領域番号 |
20K08199
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 千葉県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
巽 康年 千葉県がんセンター(研究所), 発がん研究グループ 発がん制御研究部, 上席研究員 (00450578)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 神経芽腫 / ミトコンドリア / BMCC1 / 次世代シークエンサー / 自然退縮 / ミトコンドリアDNA / 神経芽腫細胞株 / マイクロアレイ遺伝子発現解析 / BMCC1 / ミトコンドリア遺伝子 / 遺伝子変異 / アポトーシス / ミトコンドリアDNAシークエンス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は、神経芽腫細胞株のミトコンドリアDNAに生じたアミノ酸変化を伴う体細胞変異を、次世代シークエンサーを用いた網羅的解析から同定することを起点とし、(1)神経芽腫細胞株におけるミトコンドリア異常の検索、(2)BMCC1の発現抑制が神経芽腫細胞のミトコンドリア異常に及ぼす影響の解析、さらに(3) BMCC1依存的な神経芽腫の細胞死に与えるミトコンドリア異常の影響の解析を推進する。本研究を通じてBMCC1とミトコンドリアが介在する神経芽腫の『悪性化防止と自然退縮』の分子基盤を理解することにより、神経芽腫の弱点を突き止め、これを標的とした難治性神経芽腫治療戦略の糸口を掴む。
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研究成果の概要 |
本研究では、神経芽腫の難治性病態を解明する目的で、予後良好因子として当研究所において同定されたBMCC1の分子基盤とミトコンドリア異常との関連について着目し、これらの理解を目指した。その研究成果として、ミトコンドリアDNA(mtDNA)の塩基配列を次世代シークエンサーにて網羅的に解析する手法を独自に確立し、18種類の神経芽腫細胞株が保有するmtDNA内に、病因性が予想される一塩基多型を含む変異を複数同定することに成功した。さらに、BMCC1ノックダウン細胞株およびBMCC1ノックアウトマウス副腎について網羅的な遺伝子発現解析を行い、BMCC1の発現低下がもたらす遺伝子発現変化の特徴を捉えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミトコンドリアDNA(mtDNA)はミトコンドリア内で活性酸素に暴露される為、核ゲノムよりも高率に遺伝子変異を生じやすい可能性があるが、NB のmtDNA変異を解析した研究報告はほとんどない。したがって本研究成果は、NB研究において解明が先行する核ゲノムの異常に関する情報に加えて、ミトコンドリア異常に関する情報を提供することにつながり、今後NBの難治性病態の全貌を理解するための重要な足掛かりとなる。さらに、本研究で確立したmtDNA変異解析技術を活用して、これまで見逃されてきた既存試料中のmtDNAの再解析が可能となることが期待され、既存試料を再活用したNB研究の新局面を拓く潜在性を秘める。
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