研究課題/領域番号 |
20K08267
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
内田 敬子 慶應義塾大学, 保健管理センター(日吉), 准教授 (50286522)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 肺動脈発生 / 先天性心疾患 / 平滑筋 / 遺伝子改変マウス |
研究開始時の研究の概要 |
肺動脈低形成は先天性心疾患にしばしば合併するが、有効な治療法はなく予後不良因子である。本研究では、私たちが独自に開発し研究してきた遺伝子改変マウスが、胎生期から生後に至るまで肺動脈平滑筋細胞を特異的に標識することを応用して、肺動脈の発生機序を解明し、新規肺動脈成長促進因子を探索する。肺動脈平滑筋標識マウスの肺器官培養系により肺動脈の成長を三次元的に評価し、候補因子を特定する。さらに特定した因子について、疾患モデルマウスを用いて検証する。本研究の意義は、肺動脈平滑筋細胞の起源・分化機構や、肺動脈の発生・三次元構築に関する基礎的基盤と、難治性の肺動脈低形成に対する新規治療法を提供することである。
|
研究成果の概要 |
チアノーゼ性心疾患にしばしば合併する肺動脈低形成は有効な治療法がなく予後不良因子である。本研究では肺動脈の発生機序を解明することを目的とした。肺高血圧症の疾患遺伝子の一つTbx4の発現を、肺器官培養系においてアンチセンスオリゴヌクレオチド (AS)によって抑制したところ、肺の気道分岐や血管内皮の成熟が抑制された。また、先天性複雑性心疾患の家系解析から2遺伝子の複合変異が疾患原因の候補として絞り込まれ、両者のダブル欠損マウスで心臓発生が障害されるだけでなく、胎仔肺の肺動脈像に特徴が認められ、肺血管発生への影響が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小児循環器の医療現場で遭遇するチアノーゼ性心疾患にはしばしば肺動脈低形成が合併する。肺動脈低形成には有効な治療法がないために手術適応をも左右する予後不良因子である。心臓発生においては分子レベルでの基礎研究が比較的進んでいる一方で、肺血管発生の発生は肺血管細胞の系譜を含めて不明な点が多い。本研究は、小児循環器の臨床で遭遇する二つの疾患、肺高血圧症と単心室を含む先天性複雑性心疾患の疾患原因遺伝子の発現を抑制した肺やマウス個体を、私たちが独自に開発した肺動脈標識技術を用いて観察し、肺動脈発生に関与する知見を得たこと学術的意義がある。
|