研究課題/領域番号 |
20K08291
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
吉田 道弘 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (20636328)
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研究分担者 |
志村 貴也 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (90405192)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 胆汁リキッドバイオプシー / 胆汁中エクソソーム / miRNA / 胆道癌 / エクソソーム内miRNA / リキッドバイオプシー / エクソソーム / 胆汁 / 胆道疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
胆汁リキッドバイオプシー解析は、新規バイオマーカーの解明から将来的には新規治療薬の開発まで期待される。その立ち上げとして、今回はエクソソームに内包され、特異的かつ高濃度に存在しているmiRNAと糖鎖に注目した網羅的解析研究を考案した。多孔質ガラス構造を有しエクソソーム自体を確実かつ簡便に単離捕捉可能な特殊フィルター法を用い、胆汁中エクソソーム内因子のmiRNAと糖鎖に注目した発現解析を行う。血清および組織標本中の発現レベルと比較解析も行い、胆汁解析の特異性を明らかにしたい。癌については細胞・動物を用いた基礎実験での検証も加え、胆道系疾患の新規バイオマーカーの探索を目的とする。
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研究成果の概要 |
胆膵内視鏡診療(ERCP)時に吸引採取した胆汁を用い、胆道癌および総胆管結石症例を中心とするコントロールを対象として、血清・胆汁中エクソソームRNA量の検討とmiRNA発現の網羅的解析を行った。Discovery cohortおよびValidation cohortを通じ、血清解析では両群に有意な発現差を示すmiRNAは認めなかったが、胆汁解析ではコントロール群と比較し胆道癌で有意に高発現を示すmiRNA:miR-451aとmiR-3619-3pの2つのmiRNAを同定した。さらに胆道癌においてmiR-3619-3pの高発現は予後不良因子であったことも明らかとした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
診断に難渋する胆道疾患において全く新しいアプローチによる診断方法の樹立が望まれるなか、今回エクソソーム内miRNAの網羅的解析により、血清では同定できない胆道癌特異マーカーが胆汁で同定され、miR-451aとmiR-3619-3pが胆道癌の診断マーカーとして確認された。さらに、miR-3619-3pは予後予測マーカーとしても有望であることが判明した。我々内視鏡医にこそ採取可能な胆汁を用いて解析することで、胆道疾患においては血清を上回るリキッドバイオプシーの意義が期待される。この研究は今後も継続し、さらに対象疾患を広げて解析が進み、臨床応用されることを目指す。
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