研究課題/領域番号 |
20K08316
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
池上 正 東京医科大学, 医学部, 教授 (40439740)
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研究分担者 |
本多 彰 東京医科大学, 医学部, 教授 (10468639)
宮崎 照雄 東京医科大学, 医学部, 准教授 (60532687)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 慢性肝疾患 / 肝硬変 / 骨格筋 / 分枝鎖アミノ酸 / サルコペニア / 胆汁酸 / 分岐鎖アミノ酸 |
研究開始時の研究の概要 |
分枝鎖アミノ酸(BCAA)は体内のエネルギー源として主として骨格筋のミトコンドリア内で代謝される。我々は以前から、BCAAの一つであるバリンが分解されてエネルギーに替わる際の中間代謝物として低分子の3-ヒドロキシイソ酪酸(3HIB)が増加することを高感度な測定系を開発し確認してきた。肝硬変患者では、BCAAを代謝することで肝臓で低下しているエネルギー産生能を代償しているが、骨格筋の予備力を生化学的に定量化する手段はなく、予備力に応じた栄養治療が確立していない。血液中3HIBを測定することで,肝硬変患者の骨格筋における代償能を定量的に評価することを目指すのがこの研究のテーマである。
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研究成果の概要 |
分岐鎖アミノ酸(BCAA)の異化状態を血液サンプルで評価できる代謝マーカーとして、BCAAの一つであるバリンの中間代謝物3-hydroxyisobutyrate (3HIB)に着目し、骨格筋の代謝能を定量的に評価する手法としうるかどうかについて、モデル動物を用いた検討を行った。 我々が開発した肝障害モデルである、ヒト型胆汁酸を有するCyp2c70/Cyp2a12ダブルノックアウト(DKO)マウスを用いて、筋萎縮やBCAA代謝について検討したところ、DKOマウスでは野生型に比べて有意な骨格筋重量、線維径の減少を認めた。DKOマウスでは血中3HIBが増加しており、フィッシャー比の低下がみられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胆汁酸は様々な疾患との関連が報告されているが、動物モデルを用いた検討を行う場合、ヒトとの胆汁酸組成の種差が問題となり解釈が困難であることをしばしば経験してきた。我々が開発したDKOマウスはこの課題を克服し、ヒトと同様の胆汁酸組成が存在する状況下を作り出すことに成功し、現在様々な疾患モデルへの応用が開始されている。本研究はこのモデルを用いてBCAA代謝を検討している点が独創的であり、本研究はヒト型胆汁酸とサルコペニアの発症に関する新たな研究課題の発想につながった。また、骨格筋代償能の評価法として分岐鎖アミノ酸異化マーカー(3HIB)を用いた臨床研究が可能であることを示すことができた。
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