研究課題/領域番号 |
20K08321
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
矢部 茂治 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 研究所, 細胞組織再生医学研究部 上級研究員 (40533716)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 膵α細胞 / グルカゴン / ヒトiPS細胞 / アルギン酸ファイバー / 糖尿病 / hPSCs / アルギン酸fiber / 高血糖 / iPS-膵島 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病における高血糖状態にはインスリン作用不足のみでなくグルカゴン過剰分泌も主要因になっている事が示唆されており、ヒトα細胞のグルカゴン分泌機構の解明が非常に重要であるが、現在ヒト膵α細胞を入手する事は困難であるため、ヒトα細胞研究は遅れている。本研究においてヒトiPS細胞由来膵α細胞分化誘導系の最適化、グルカゴンプロモーターにより蛍光タンパク質が発現するiPS細胞株の樹立による膵α細胞の可視化による選別、分化誘導した膵α細胞の長期維持を可能とするアルギン酸によるファイバー化技術を用いたグルカゴン過剰分泌系の再現を行い、現在遅れているグルカゴン分泌機構等のヒト膵α細胞研究を推進する。
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研究成果の概要 |
ヒトiPS細胞由来の膵α細胞の分化誘導系の改良を行い、より安定的・効率的な分化誘導系を構築した。また、培養しながらのモニタリングやFACSによるソートで膵α細胞を純化出来るようにCRISPER/Cas9のシステムを用い、proglucoagonの下流に2A peptideによりtdTomatoを繋いで、α細胞が赤く光るヒトiPS細胞株を樹立した。さらにMofloによりα細胞をソートする条件を検討し、α細胞の純化に成功した。また、長期にストレス負荷をかける系を構築するために、ヒトiPS細胞由来膵α細胞をアルギン酸で出来たfiberに封入する事で、長期維持を可能とする培養系の構築に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2型糖尿病の高血糖の主要因はインスリンの作用不足であると考えられていたが、近年になり、インスリン不足状態のマウスにおいてグルカゴンのシグナルを阻害すると高血糖にならない事が示され、また2型糖尿病患者でグルカゴンが過剰分泌していることから、グルカゴンの過剰分泌も糖尿病における高血糖に大きく寄与している可能性が示された。しかし、日本で特に研究に使用できる膵α細胞が入手困難であるため、α細胞研究が大きく遅れている。本研究においてヒトiPS細胞由来膵α細胞の分化誘導系の構築を行い、さらにアルギン酸ファイバーに封入する事で長期維持を可能とした。この成果により、膵α細胞研究を大きく推進する事が可能となる。
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