研究課題/領域番号 |
20K08349
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
川口 章吾 弘前大学, 医学研究科, 助教 (90455741)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | MDA5 / RIG-I / NASH / NAFLD / マクロファージ / macrophage / CDAHFD / RIG-I様受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
近年本邦において非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)が増加している。NASHの病態形成には本来細菌などの病原体に対して備わっている自然免疫の分子機序が関与している。RIG-I様受容体(RLRs)も自然免疫に関連する分子であるが、NASHの慢性炎症の形成にも関与している可能性がある。本研究は、RLRsがNASHの病態にどのように関与するのか解明するため、マウスとヒトの肝組織を用いて、NASHとRLRとの関連を生化学的、組織学的手法を用いて解析する研究である。
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研究成果の概要 |
RIG-I様受容体(RLRs)は主にRIG-IとMDA5から構成される細胞内核酸受容体であり、自然免疫応答に関与する分子である。本研究ではNAFLD患者の肝生検組織とNASHモデルマウスを用いて、RLRsの発現を解析した。MDA5は非NAFLDでは発現が認められなかったが、NAFLDでは主に肝内に浸潤するCD11b陽性マクロファージに発現していた。NASHマウスではMDA5発現の増加は炎症性サイトカイン発現に先行して認められ、炎症病態に関与している可能性が示唆された。また、マクロファージにおけるMDA5発現はLPSによって誘導されるため、腸内細菌抗原の流入が重要であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
NASHは世界的に患者数が増加している疾患であり、肝硬変、肝細胞癌の原因となるばかりでなく、脳心血管疾患の発症にも関連するため重要な疾患である。本邦においては減量と糖尿病などの併存疾患に対する治療が中心であり、根本的治療法の開発のためには病態解明による新規治療標的の同定が不可欠である。本研究では、NASH病態進展機序の一つに自然免疫応答のメカニズムが関与することに着目し、これまで報告がなかったRLRs分子の病態への関与を明らかにした。とくにMDA5はサイトカインを高産生する活性化マクロファージに発現しており、NASHの新規治療標的となる可能性が示唆された。
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