研究課題/領域番号 |
20K08350
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
佐々木 悠 山形大学, 医学部, 講師 (60466620)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 大腸癌 / 大腸腺腫 / 肥満 / 代謝 / メタボリックシンドローム / インスリン抵抗性 / RNA修飾 / HuR / RNA転写後調節 / RNAシークエンス / 大腸がん / GIP / インクレチン / 大腸発がん |
研究開始時の研究の概要 |
本邦をはじめ世界的な大腸癌増加の主な要因として肥満、メタボリックシンドロームの増加がある。この病態の中核にはインスリン抵抗性やアディポサイトカイン分泌異常、慢性低炎症状態があるが、このような変調がどのように大腸癌を引き起こすのか、その分子機序は不明な点が多い。 本研究ではRNA結合蛋白HuRに着目し、肥満関連大腸がんにおいて、代謝異常と関連したHuRの細胞内局在の変化、標的mRNAの同定とその安定性について明らかにする。これにより、肥満、代謝異常からの大腸発がんにおける、HuRによるRNAの転写後調節を介した発がん機序を明らかにし、それに基づいた予防や治療を可能とする新しい分子基盤を創出する。
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研究成果の概要 |
肥満の大腸癌では細胞質におけるHuRの発現が増加していました。また大腸癌細胞では、インスリンによりHuRの核内から細胞質へ移行が高まり、HuRに結合するmRNA量が約4倍以上増加しました。網羅的なトランスクリプトーム解析から、HuRとの結合が2倍以上増加した38のmRNAsを同定しました。結合性が最も低下していたX geneではmRNAの安定性が50%低下していました。この遺伝子のノックアウトマウスでは小腸にリンパ腫様の腫瘤がみられました。今後、さらなる解析をすすめ、HuRによるRNAの転写後調節を介した大腸発癌機序を明らかにし、効果的な予防や治療を可能とする新しい分子基盤を創出します。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、肥満関連大腸癌におけるRNA結合蛋白HuRの核細胞質移行や標的mRNAsの変化、および大腸癌の発育進展に関わる可能性のある新規の標的遺伝子を明らかにしました。代謝変化によるHuRを介したRNA転写後制御の変調が肥満関連大腸発癌を導くという新しい機序を解明し、それを制御する方策を見出すことで、世界的に増えている肥満関連大腸癌の征圧につなげることが期待できます。
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