研究課題/領域番号 |
20K08377
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平田 喜裕 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (10529192)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 化生 / 胃癌 / 炎症 / 相互作用 / 粘膜再生 / 再生 / 分化 / 時空間的解析 |
研究開始時の研究の概要 |
化生は慢性炎症を背景に上皮細胞が分化異常をきたしていると考えられるが、その発生機序は大部分が未解明である。本研究では、上皮(幹)細胞の経時的遺伝子変化と上皮周囲の微小環境における細胞間相互作用を包括的に検討することにより化生発生メカニズムを解明し、その正常化療法を開発する。新規にサイトカイン誘導性化生発生マウスモデルを樹立し、経時的な上皮細胞の遺伝子発現変化、非上皮細胞による化生誘導能などを検討し、化生発生の重要分子、化生治療の標的分子を探索する。候補分子はヒト胃炎粘膜での発現を検証し、その阻害薬をオルガノイド共培養モデルやマウスモデルに投与し胃粘膜再生に有効な治療法を開発する。
|
研究成果の概要 |
胃粘膜特異的IL-33発現マウスおよびSox9ノックアウトマウスを樹立し、任意のタイミングで胃体部、もしくは胃前庭部特異的に化生粘膜を作成することに成功した。これらのモデルにより急性発症、および慢性発症の化生について検討することが可能となった。これらの胃組織にはCD45陽性炎症細胞浸潤がみられ、化生発生において炎症細胞浸潤が重要と考えられた。また体部および前庭部では化生粘膜の性状と発生機序が異なっていた。粘膜RNAでは、上皮細胞におけるこれらの遺伝子変異によってケモカインや接着分子の発現が上昇しており、化生発生における上皮細胞と炎症細胞間の相互作用のメディエーターになっていると考えられた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胃粘膜の化生はピロリ菌感染などにともなって発生する前癌病変として知られているが、その発生機序は明らかになっておらず、化生粘膜の再生、治療法は確立されていない。本課題において新規の化生発生モデルが樹立され、発生機序の解明や治療法の開発に役立つと考える。とくに動物モデルを用いることで初めて明らかになった炎症細胞との相互作用については、キーメディエーターであるケモカインをブロックすること、もしくは炎症細胞そのものを標的として枯渇させることなどによって化生粘膜の再生、もしくは再分化を可能とする新規治療となる可能性がある。また化生粘膜からの発癌機序、発癌の予防法についても研究が展開可能となった。
|