研究課題/領域番号 |
20K08392
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
野尻 俊輔 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (50381843)
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研究分担者 |
三浦 裕 至学館大学, 健康科学部, 教授 (90285198)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | p68 / AFP / 肝癌 / p68 / 肝発癌 / 血管内皮細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はAFP(αフェトプロテイン)抑制因子ATBF1を発見後解析過程で新規のAFP抑制因子としてp68を同定し現在実験進行中である。P68は正常肝細胞と血管内皮細胞で発現しており肝癌細胞及び肝癌部血管内皮細胞でほぼ発現低下がみられる。近年、肝癌治療には癌細胞そのものへの抗腫瘍治療の他に腫瘍血管抑制をターゲットとした肝癌分子標的薬が登場しているが癌部血管の生物学的特異性による治療抵抗性のため未だ効果不十分である。本研究はp68蛋白の①肝細胞、②血管内皮細胞各々における分子生物学的作用を解明し肝癌細胞、肝癌血管細胞両面からの新規治療法の開発を目標とする。
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研究成果の概要 |
本研究は肝臓癌の分子医学的側面から解明を試みている。筆者らが発見したp68は経常的に全身の血管に発現しており血管形成に必須の遺伝子である。我々は全く違うアプローチから偶然p68が肝細胞に発現していることを発見し、肝癌の悪性度を示すαフェトプロテイン(AFP)のサプレッサーであることを示した。しかしその作用は血管内皮細胞での働きを含め全くの不明であった。今回KOマウスでの結果よりp68は通常から肝細胞に発現し、その発現低下により肝癌の悪性度が増加し易発癌性となる。同時にp68の低下によりAFP発現が上昇するため、AFPが臨床的な悪性度をしめす機序の分子医学的証明となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝臓癌での治療はまだまだ不十分でありその悪性度の生物学的機序も不明であった。今回の実験結果は肝癌の悪性度及び発癌性の一因にp68が関与している事を細胞実験、ヒト臨床検体、さらにKOマウスの作製により証明し、腫瘍マーカーであるAFP上昇メカニズムとの整合性を説明可能とした。今回の研究成果により新たな分子医学的治療への一助になることを期待する。
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