研究課題/領域番号 |
20K08491
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
種池 学 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (30609756)
|
研究分担者 |
上田 宏達 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (30865746)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 心不全 / 細胞死 / 脂質メディエーター / 心筋炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
心不全の発症進展過程における炎症とそれに引き続く心筋細胞死の根本的誘導機序の解明を狙いとする。脂質メディエーターを生成することやCaspase非依存性非アポトーシス型細胞死に関連していることが報告されているiPLA2βを解析の対象とし、その心臓および心不全における役割を解明する。そのために、細胞、野生型および遺伝子改変マウス、さらにはヒト心不全サンプルを用いて統合的な解析を行う。
|
研究成果の概要 |
心筋細胞特異的iPLA2βノックアウトマウスでは、圧負荷誘導性心不全モデルにおける表現型が改善し、心筋細胞ネクローシスが抑制されていた。リピドミクス解析や細胞実験により、18:0 lysophosphatidylserine (LPS)およびその受容体であるGPR34がそのメカニズムに関与していることを見出した。GPR34ノックアウトマウスでは圧負荷誘導性心不全モデルの表現型が抑制された。以上より、iPLA2βにより産生されたLPSが、GPR34を介して心筋細胞のネクローシスを誘導することにより、圧負荷誘導性心不全の発症進展メカニズムにおいて重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心不全は我が国を含めた先進国において主要な死因の一つであり、新規治療法の開発が臨まれている。本研究では、複数のマウス心不全モデルおよび細胞を用いた実験により、iPLA2β-LPS-GPR34-心筋細胞ネクローシスという心不全発症進展メカニズムを初めて報告した。この結果から、iPLA2βのみならず、GPR34は心不全患者に対する治療の新規分子標的となりうることが示唆されており、これまでにない新規心不全治療薬の開発への応用が期待される。また、心不全だけではなく、他の動脈硬化性疾患や炎症性疾患など、心臓以外の広い領域についても治療などに臨床応用できる可能性がある。
|