研究課題
基盤研究(C)
研究代表者の先行研究で国際的に初めて明らかにした適切な抗菌治療を受けた肺炎患者における死亡リスク因子は自然・獲得免疫機能低下との関連が報告されており、免疫賦活療法の適応となる患者の存在が示唆される。しかし、免疫賦活療法として具体的に何を?いつ?使えばよいかについては答えが現在ない。本研究は、主に重症肺炎患者検体を用いて予後良好/不良群の免疫状態とその経時的変化の違いを明らかにすることで、IL-7を基軸とした免疫賦活療法の投与対象候補者と投与タイミングを探索するとともに、確立してきた動物モデルを用いて有効性の機序をより明確化し将来の臨床試験への基盤をつくることを目的として行われる。
本研究は重症・難治性呼吸器感染症である重症市中肺炎、術後肺炎、肺Mycobacterium avium complex (MAC)症患者検体を用いて実施した。市中肺炎と術後肺炎間ではリンパ球と好中球数の動態が生存例と死亡例では異なり、市中肺炎予後不良例では予後良好例に比べて、活性化マーカーの発現がT細胞上でより多くみられたが、共刺激分子の発現が予後不良例では低下した状態で推移していた。肺MAC症ではT細胞上の共抑制分子の発現が健常人よりも高頻度にみられ、細胞分化やサイトカイン分泌に関わる転写因子の発現にも差があった。肺MAC症では罹病期間が長期になると免疫細胞機能が低下する傾向がみられた。
本研究では、最初の侵襲が大きい(感染が重症あるいは外科手術の侵襲度が高い)とその後に免疫細胞疲弊が起こりやすく、またMACのように病原体自体が比較的弱毒の場合は罹病期間が長いほど免疫細胞疲弊を来しやすい傾向がみられた。これらは重症・難治性呼吸器感染症患者の新たな免疫療法ストラテジーを構築するうえで学術的に重要な知見であり、予後不良となる患者を救命するための治療に繋がる社会的意義もある知見である。
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